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立ちくらみ(起立性低血圧)

急に立ち上がった時に起こる血圧の低下で、眩暈・立ちくらみ・眼前暗黒感・気が遠くなるなどの症状が起きる事があります。
単に物理的な理由で、たまたま起立時に一時的な貧血を起こしただけと簡単に考える人もいますが、起きる人は頻繁に起きるし起きない人は全然起きません。
よく起きる人はもっと深く考えなければなりません。
また立ちくらみを通常の眩暈と同じに考えるのにも頷けません。
中医では多くは気虚陽虚・陰血虧虚・気陰両虚などを原因と見なしています。

気虚陽虚なら心脈の鼓動が無力なため、気機の昇降が失調しやすくなり、清陽は昇りません。
陰血虚虧なら血脈が足らず、そのために心脳は失養状態になります。
腎陽虚なら脳髄は空になり頭暈・立ちくらみ・暈厥(失神)などになります。
気陰両虚なら陰陽は失調し、臓腑の機能は低下し、頭暈・耳鳴・畏寒肢冷・腰酸腿軟・不欲飲食・疲乏無力などの低血圧症状を起こします。

学童が全校生徒の朝礼の時に突然昏倒して不省人事になったり、唇は紫色になり四肢に力が入らずぶっ倒れたり、小便を失禁したりするのを見た事があります。
証候を分析すれば、これらは気虚血瘀・経絡阻滞・蒙閉清竅です。
急ぎ益気養陰・活血化瘀をする必要があります。

補陽還五湯: 黄耆、地竜、桃仁、紅花、当帰、川芎、赤芍

加減方1: 黄耆、桂枝、赤芍、帰尾、桃仁、紅花、懐牛膝、二地、亀板、別甲、西洋参。

加減方2: 黄耆、赤芍、桂枝、川芎、地竜、桃仁、紅花、熟地、甘草、山萸肉、玉竹、帰尾、紅参。

常用的加減薬味: 麦門冬、生地、麦芽、山楂、石斛、甘草、枸杞子、鎖陽、肉従蓉、沙参、巴戟天、何首烏、葛根、丹参、菟絲子。

‥‥‥
体位性低血圧——補陽還五湯加味(張琪医案)

呂某,男,63歳,1974年8月初診。
一年余も反復して暈厥が起こる。
検査して体位性低血圧と診断された。
直立位時の血圧 90~100/50~60mmHg,臥位時の血圧 220~230/120~130mmHg。
頭暈、立ちくらみ、暈厥、両腿軟、直立時には面色蒼白となり、冷汗が出て、脈は濡となる;
臥位時には面色は紅潤となり,舌苔は干,脈は洪大となる。
余の会診では、気虚のため血を統率する事が出来ず、営気が体位に随って偏注するもの見なし、補陽還五湯を投じた。

(黄耆30 赤芍・川芎・帰尾・地竜・桃仁・紅花3)48

上方を連服すること50余剤にして、病人の血圧は臥位・直立位共に150~160/90~100mmHgの間となり、頭暈・腿軟等はしなくなった。

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