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腎人工透析の前に

病院で腎透析を薦められている、漢方でクレアチニン値を下げられないか、という質問があります。
大変難しい問題ですが、ひとつの方法があります。
それは腎機能障害を腎臓だけの問題としないで他の臓器との関係から補佐できないかと考える事です。
中医学理論では腎臓といわないで“”と呼び、整体としての人体、その中の一環として五蔵を考えます。
腎が弱ったら、その母である肺を頼るという手があります。
同じく、その子である肝からも援助が求められます。

古い“関格”という病名には小便閉・嘔吐の二症状があり、腎不全を指しています。
これは「腎の気化作用が障碍され、濁邪が三焦に壅滞して正気が下降できない」ために起こる危候であるとしています。
腎の気化というのは腎の濾過機能を指し、濁邪というのはクレアチニンや尿素窒素などの代謝産物を指しています。
この代謝産物の体内瀦留を避けるために腎透析が行われるのですが、これの辛さは周知の事です。

そこで腎の母である肺に何か出来る事は無いか、と考えてみます。
肺気が清粛であれば、その降気作用によって津気は下行して腎を滋す
つまり「金生水(肺生腎)」の理論です。
その肺の清気を遮って途中で止めているのは何だろうか?

大きな壁が“(横隔膜)”です。
心下痞(みぞおちの痞硬)」という症状として現れます。
心下痞には半夏瀉心湯(半夏・黄芩・干姜・人参・甘草・黄連・大棗)という有名な処方があります。
これを加減して腎機能障害に応用した一例が『中国名医特技精典』にありました。

方淑媛 王暁明 遼寧省沈陽市紅十字会医院
●半夏瀉心湯合保元湯
基本方: 黄耆、人参、半夏、干姜、大黄、黄芩

加減: 腎陽虚加附子,肉桂温補腎陽。
脾虚加白朮健脾燥湿。
浮腫尿少加茯苓、牛膝: 補益心気利湿。
皮膚接痒加白鮮皮清熱止痒。

いつか腎機能障害に使ってみたいと思っています。
‥‥‥
かつて、温脾湯《千金要方》(大黄12(後下)、附子9(先煎)、乾姜6、人参9、炙甘草3)という処方が人工透析導入前の患者さんに試されて時期の遅延効果があると報告されたことがあります。

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