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乾癬の考察2

蒲徳甫医案:王某某,男,13歳,1986年6月23日診。
父の説明:吾が児は1月前に発病しました,始めは全身に紅色疹が出て痒く,次第に拡大して片状になりました,表面には白屑があり,痒さも劇しくなりました。
当地では“湿熱”として10日間治療されましたが効果がありませんでした。
全身には大小さまざまの融合した斑片があり,地図状を呈し,境界ははっきりとして,周囲には炎症性の紅暈があり,基底には浸潤があります。
表面には多層の銀白色鱗屑が被覆しており,軽く擦って鱗屑を去ると紅色の光った薄膜があり,薄膜を去ると露珠状の小出血点が見えます。
患児は肥胖体で,脈象は滑数,舌尖が紅,苔は白膩。
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診断:銀屑病(乾癬)
処方:苓桂朮甘湯加味
(茯苓13 桂枝・白朮・炙甘草3 土茯苓7)29
1日1剤,水煎して三服に分けて温服する。
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服すること5剤にして,掻痒は已に減りはじめ,鱗屑は薄くなった,基底の浸潤もやや軽くなり,周囲の紅暈も淡くなった。
脈は滑で苔は白膩である,原方より土茯苓を去り,地膚子5gを加える。
継服すること20剤の后,痒さが微かになり,基底は淡紅,鱗屑は減少し,皮疹は縮小して平たくなった,脈は滑,苔白だが津液が多い。
上方より地膚子を去る。
服すること20剤の后,躯干及び上肢の皮損処の鱗屑は消除し,炎症の浸潤はなく,褐色斑が遺留している。
頭部及び下肢の皮損には微薄鱗屑が被覆しており,微かに痒い,脈は滑,苔は白潤。
上方に丹参3gを加える。
再服すること10剤の后,頭部及び下肢の皮損は消失して,浅褐色班を留めている,躯干及び上肢の皮色は正常である。
上方を又10剤進めて,痊愈とした。
次の年、頭部に原皮損が復現し,脱屑,発痒したが,苓桂朮甘湯加首烏3g,15剤で愈えた。
         (四川中医51990;(12):45)
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按:脾は水穀を運化し精微とし,肌膚を長養する。
脾が健運を失せば,精微は肌膚に与えられず,反って飲と化す。
本案は内に水飲ありて,外の肌膚が津虧となり,久しくして生燥化風したため,痒癬を発生した。
故に舌尖は紅くても、脈は滑数で苔は白膩だった。
治病には本を求める,苓桂朮甘湯を選用して健脾化飲し,土茯苓を加えて清熱解毒とする。
飲が去れば津布して,肌膚は養を得て,痒癬は自ずと消えた。

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