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苓桂朮甘湯と高血圧

中医学にはもともと高血圧という概念はありません。
それが中西医結合以后になって,はじめて中医にも問題として取り上げられました。
中医での高血圧の治療時に採取される辨証論治の原則は,大てい補腎・活血・滋陰・利水等の治法です。
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私の父親の祝谌予は常々自分の治療経験から云っていました。
“上の血圧(収縮期血圧)を下げるだけでなく,下の血圧(拡張期血圧)も下げなけねば”と。
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祝氏には下の血圧を下げる一つの験方として杞菊地黄湯があります。
(生/熟地黄、山薬、山萸肉、丹皮、沢瀉、茯苓、枸杞子、菊花)
下の血圧が高い病人は,中医では一般に腎陰虚と認めています。
肝腎は同源なので,腎陰虚は必然的に肝陰虚に影響し,血圧が高くなるのです。
生/熟地黄の根拠は,もしその人が腹瀉ならば熟地黄を選び;もし便秘なら生地黄を選びます。
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杞菊地黄湯の類方に桂附地黄湯がありますが、これは本来 高血圧の治療薬ではありません。
が、私の父親の祝谌予は曽つて一人の老婦人をこれで治療した事があります。
上の血圧は常に 180―200,下の血圧は常に 110―120 でした。
老婦人は冷え性で,面色は黄白,四肢は冰凉,舌頭は淡,全身に力が無かった。
この処方を一週間飲んだら,高圧150,低圧90,と効果が非常に好かった。
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私にも曽つて一人の老婦人を治した経験があります。
彼女は高血圧でしたが,一つの典型的症状として背中の胃に相応する部位に冷えがありました。
私は古方の苓桂朮甘湯を用いました。
茯苓、桂枝、白朮、甘草の四味の薬で,服薬して一周后に,彼女は「もう血圧は高くないし,よく眠れるようになった」と告げにきました。
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三通りの例を上げましたが、私は強く思うのです。
中医の辨証論治には,いつも同じ情況は無いのだから,一つの処方だけで治療出来るとは限らないと。

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