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迎風流涙と苓桂朮甘湯

私も寄る年波です、海岸を散歩する時に寒い風に当たると眼から涙が溢れてきます。
何故だろうと長らく考えてきましたが分かりませんでした。
肝腎陰虚だからだろうと、過去に滋陰止泪湯や験方止泪湯などを試してみましたが効果はありませんでした。
この度ある治験例が目に付き、ハタと思い当たるものがありましたので紹介します。
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王某某 ,男,54歳。
両眼からひとりでに流泪する。
眼屎が多い,反復1年経つが愈えない。
検査では異常無し,涙腺を洗ったり眼薬を外用したが無効。
また復方丹参片・杞菊地黄丸を服しても変わらず。
舌苔薄白く,脈は細。
気虚失固と辨じて,[黄耆20g,党参15g,白朮・谷精草・桑椹子各12g,升麻・当帰各10g] を5剤投じても症状に改善なし。
いつも飲酒后や辛辣なものを食べるとひどくなる。
時に畏寒あり,頭には重脹感がある。
舌苔はやや白膩 ,脈は細滑。
此れは陽気虚で,眼絡に寒湿凝阻がある。
改めて苓桂朮甘湯加減を投じた。
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処方:(桂枝4 茯苓・白朮・木賊草5 黄耆7 制南星・羌活3 紅花2)34
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3剤の后 流泪は明らかに好転した。
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上方に加 桑葉3 夏枯草4g,3剤にて愈えた。
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按: 本例の患者の流泪を,筆者は初めは気虚失固と思って用薬したが無効だった。
細かく辨じると畏寒,頭重脹,舌苔白稍膩,脈細滑などがある。
これは明らかに風寒外擾,陽気内虚のため,清陽失升,痰湿内凝,阻滞眼絡の証となって流泪している。
処方は苓桂朮甘湯去甘草にて,温陽化飲・祛寒湿を,羌活・南星を加えて祛風痰を,黄耆にて益気を,木賊草・紅花にて清睛通絡を図り,諸薬を合用して収効した。

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