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頑固頭痛と清震湯

張某某、頭痛を患って数年、時に軽く時に重し、久治するも未だ愈えず。
発作の重い時は全頭内が皆痛み、ひどくなると脳内に風雷の如き音響が轟く。
天気が変って大風となる時に発しやすい。
舌苔はやや白い。脈象は弦滑。
曽つて他の医院で清空膏・愈風丹・川芎茶調散・牛黄上清丸・羌活勝湿湯 等の加減方の湯薬・丸薬等を服用したがどれも効かなかった。
此の脈症によって我が診断を“雷頭風”とし、清震湯法の随証加減を用いた。
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处方:(升麻・蒼朮・羌活・蔓荊子・白蒺藜3 夏枯草6 石决明10 荷葉4 藁本・呉朱萸2)39
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本方を連服すること3周にして頭痛は痊愈した。
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この方の清震湯(蒼朮、升麻、荷葉)は軽揚発越・散風化湿を主薬とする。
輔薬の羌活は祛風勝湿で太陽経に入り、太陽の頭痛を治す;
藁本は督脈に入り、風寒を散じ、頭頂痛を治す。
佐薬の呉朱萸は辛温にして肝経に入り、頭痛を治す;
夏枯草は肝経に入り肝陽を平とし、肝鬱頭痛を治す;
生石決明は肝陰を養い、肝陽を潜伏させる;
蔓荊子は少陽経に入り、頭部の風熱を散じ、頭の両側痛を治す。
使薬の白蒺藜は肝肺二経に入り、其の性は善く破り、肝肺の鬱結を升散して病久入絡の疼痛を治す。
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東垣先生に“清空膏”があり、年久不愈の偏正頭痛 及び風湿熱が頭目に上壅して苦痛の止まないのを主治する。
其の方は:炒黄芩・炒黄連・羌活・防風30g 柴胡20g 川芎15g 炙甘草45g
細末とし、毎服9gをお茶にて膏の如くに練り、温水にて送下する。
此の例の頭痛患者が曽つて此の膏を服して効果が無かったのは何故か?
それは此の膏は太陽経に入る薬が最も重く、其の次が少陽経で、又その次が厥陰・太陰に入るものである。
しかも酒炒芩・黄連を用いて上部を清熱する故に此の方は風湿熱の上壅を主治するものである。
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本例は雷頭風であり、其の病情は普通の頭痛よりも深重、且つ天気の変幻によるものが多い。
大風の時に痛みが重く、其の痛みは頭全体ににおよび、且つ重い時には風雷の音のように響く。
已に風湿熱上壅の頭痛証には非ず、風邪は深く入りて清竅を閉塞し、発越疏散させることが出来ない。
経絡不通となり、風寒と温邪は互いに相い膠結し、鬱壅不散の証である。
故に清震湯を主とし、随証加減をしたのである。
全方は散風を主とし、祛寒・化湿を兼ねる。
其の脈が弦であるので養肝陰・潜肝陽・平肝防熱・温厥陰・破肝肺結気の品を加えた。
気が行り血が行れば経絡は通暢する。
風寒湿邪は辛温陽性薬を得れば発越升散する故速やかに効を取ることができる。
            《方剤心得十講》(焦樹徳著)より

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