« 苓桂朮甘湯と高血圧 | Main | 迎風流涙と苓桂朮甘湯 »

苓桂朮甘湯と心筋梗塞

水心病(冠心病)
劉渡舟医案:陸某某,男,42歳。
形体が肥胖しており,冠心病 心筋梗塞で入院2ケ月余になるが,まだ功効なし。
心胸疼痛,心悸気短,多くは夜晩に発作がある。
発作の時は気が咽喉に上衝するのが自覚され,気息が窒塞する感じで,時には呼吸ができず全身から冷汗が出て,死ぬんじゃないかとさえ思う。
頚旁の血脈も又気に随って上衝し,心悸と脹痛が続く。
舌は水滑でしたたるよう,脈は沈弦,たまに結象がある。
水気凌心・心陽受阻と辨じられ,血脈不利の“水心病”である。
.
処方:(茯苓10 桂枝4 白朮・炙甘草3)20
.
此の方を服すること3剤,気衝は平となり,心神は安んじ,諸症は明らかに軽減した。
但し脈がまだ結帯し,畏寒肢冷等の陽虚の証がある。
上方加附子3,肉桂2,以って心腎四気を回復する。
服すること3剤にて手足は温かくなり,悪寒せず,かくして心悸気短は全愈した。
再び上方中に党参・五味子3 を加えて,心肺脈絡の気を補う。
連服すること6剤で,諸症は皆癒えた。
.
按語:本案の冠心病は水気上衝による,劉老はこれを“水心病”と名づけた。
総て心・脾・腎陽虚により,水は気化せずに内停し,痰飲と成り,上凌無制の患となる。
心陽虚衰となれば,陣頭指揮が取れず,水気は上衝し,胸痛・心悸・短気等の心病証候を現す。
.
別の文献では、苓桂朮甘湯加味というのもある。
(茯苓10 白朮・鶏血藤・丹参8 黄耆7 半夏5 桂枝3 甘草2)51

|

« 苓桂朮甘湯と高血圧 | Main | 迎風流涙と苓桂朮甘湯 »

治験」カテゴリの記事

優良処方データーベース」カテゴリの記事

Comments

先生にご質問させていただきたき事が、ございます。苓桂朮甘湯加味の鶏血藤は、補血、活血の目的で加えられていると思うのですが、当帰、川キュウ等を使われなかった理由?を、御教授いただきたく存じます。

Posted by: ちりつばき | 2013.07.14 05:25 PM

補血に当帰を用いるか鶏血藤を用いるか、活血に川キュウを用いるか丹参を用いるかは好みもあります。鶏血藤や丹参には香気がなく、刺激性のない穏やかさがあります。

Posted by: youjyodo | 2013.07.15 09:20 AM

御回答いただき誠に有難うございます。
家族の事なのですが、様々な漢方薬を飲ませました。
ほぼ疎通性がなく、独語があり、身の回りの事ができません。着替えさせるにも、噛み付いてきたり、爪で身をえぐる位ひっかいてきたり、興奮して敵意、攻撃性がひどく暴れます。当帰、川キュウ等が入った漢方薬を飲むと、少し行動的になって、トイレに行くようになったり、良い部分があるのですが、攻撃性や敵意が増し、一日中、部屋を歩き回ったり、落ちつきがなくなります。そもそも補血薬が必要なのかもわからないのですが、落ちつきがあり、最低限でも、身の回りの事をする意識が出る様な生薬(漢方薬)を探し続けています。鶏血藤にその可能性があるのでは?と思い、ご質問させて頂きました。

Posted by: ちりつばき | 2013.07.17 10:05 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 苓桂朮甘湯と心筋梗塞:

» 心筋梗塞 原因 [心筋梗塞 原因]
心筋梗塞の原因についての情報です。 [Read More]

Tracked on 2012.11.09 01:31 PM

« 苓桂朮甘湯と高血圧 | Main | 迎風流涙と苓桂朮甘湯 »