高脂血症2
高脂血症1 では瓜蒌薤白半夏湯を取り上げましたが、今度は三子養親湯も使えるという話です。
沈某,男,51歳,体格が良く,体重は90kg以上,検査では血脂(コレステロール)が極めて高かった。
西薬を服したが降脂効果は無かった。
1990年12月に就診。
其の面色は潮紅,油ぎってテラテラしている,舌紅く苔黄で垢が厚い,脈象は弦滑且つ数,按じて有力。
中性脂肪は730mg/dl。
痰湿瘀阻と辨じられる。
このままだと中風の虞れがある。
治には滌痰活血化瘀の法が宜しく,三子養親湯加味を用いる。
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(紫蘇子・莱菔子・冬瓜子・赤芍・丹参・茜草3 白芥子・皀角子2)22 水煎服,毎日1剤。
半月后には490mg/dlに下がった。
継いで前方に柴胡・川楝子2 焦三仙各3gを加えて服した。
1月后には290mg/dlとなった。
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[評析]高血脂症は,古くは無い病名で,中薬治療には成法は無い。
趙氏は其の形体の肥胖と脈滑・苔膩を見て,痰湿瘀阻と判断し,痰喘の治療に用いる三子養親湯に,冬瓜子・皀角子を加えて五子滌痰湯と名づけ,滌痰消膩を図った。
更に赤芍・丹参・茜草を加えて活血化瘀を,また柴胡、黄芩・川楝子を配して瀉肝熱を,或いは焦三仙・水红花子・大黄を配して疏調三焦を図り,高血脂症・単純性肥胖等に対し好い治療効果を得た。
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