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メニエール病と益気聡明湯加味

李某,男,44歳。1994年3月7日初診。
反復発作性眩暈を患って已に両年余り,眩暈はいつも労累によって誘発される。
先ず左側の耳塞耳鳴となり,継いで天旋地転するのを感じ,目を開けておられず,体を横にすると,悪心嘔吐がひどくて堪えられない。
発作は何時も必ず全身が疲乏して無力となった時に起こる。
某医院では“メニエール氏綜合征”と診断された。
舌には苔が白く着き,脈は弦無力である。
劉老は此れは中気不足,清陽の上升不能によるものと考えた。
治法は補益中気,升発清陽とし,化痰降濁を佐とすべし。
疏方:
(黄芪16 白芍15 党参14 半夏・竹茹12 甘草・陳皮・葛根l0 蔓荊子・白朮6 黄柏・柴胡・升麻3 生姜3片 大棗12枚)
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服薬すること五剤で眩暈は大いに減り,体力が増した。
又上方を十剤服させたら,諸症は悉く除き,以後は再発していない。
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【按語】本案の眩暈は中気不足,清陽不升で,“虚眩”の範畴に属する。
«霊枢・口問»に説く:“上気が不足すれば,脳は満たされず,耳は鳴り,頭は傾けることが出来ず,目は眩む。”
本案の弁証の眼目は,眩暈がいつも労累に因って発することである。
李杲の云う“内傷気虚の人は,煩労過度になれば,清気は升らず,忽然として昏冒する也。”
今 補益中気,升発清陽の方を用いて,証情が相合った。
本方は益気聡明湯・補中益気湯・温胆湯の三方の合用加減から成る。
益気聡明湯は王肯堂の«証治凖縄・類方»から出て,専ら中気不足,清陽不升,風熱上擾の頭痛・眩暈に設定されている。
更に補中益気湯で其の力を助け,温胆湯で痰濁を化せば,功効は更に宏くなる。
      『劉渡舟験案精選』より
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※メニエール病といえば日本では《脾胃論》に収載されている半夏白朮天麻湯が代表的な処方でしょうか。
半夏白朮天麻湯にはもう一つ、《医学心悟》にも同名の処方があり、双方の内容はかなり異なっています。
《脾胃論》黄柏 干姜 天麻 蒼朮 茯苓 黄耆 沢瀉 人参 白朮 神曲 半夏 麦芽 橘皮
《医学心悟》半夏 天麻 茯苓 橘皮 白朮 甘草 蔓荊子

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