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頑固な粘痰

導痰湯は済生方より出て,二陳湯では除くことが出来ない頑痰膠固を治す。
本方は二陳湯に南星を加え,半夏の除痰を助け,枳実を加え陳皮の理気を助け,且つ枳実の瀉痰には“冲墻 倒壁”という程の謂われがある。
本方の半夏の用量が多いのは,和降の力を強くするためである。
降すとは即ち導くの意味で,導痰と名づける。
然し今日の后学者は星夏(天南星・半夏)は峻猛有毒であるとの説に囚われて,臨床では導痰湯に生ではなく修治したものを使用するので,薬力は大いに減る。
歴年来,筆者(邱志済)は導痰湯には生南星・生旱半夏を用いて,しばしば頑疾難症に効果をあげている。
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症例
 頑固な粘痰
程某,女,68歳,1993年12月5日診:
いつも喉から痰が滲出するが,咯吐し難くい,色は白くて稠粘で,切れが悪い,午後や夜に甚しく,時には胸膈満悶や,頭目旋暈がある。
大便不爽で,食欲は正常で,咳喘はしない。
これまでの診断は慢性咽喉炎,慢性気管炎,神経官能症等等である。
ただ薬が少しでも熱性を帯びると,すぐに口苦痰稠を増し,薬が少しでも凉性を帯びると,すぐに口淡となり,喉間に痰壅する感じとなり,諸医は手をこまねいている。
体形はふっくらして,舌は胖大で歯痕があり,苔白く薄微膩,脈は沈渋でやや数。
これは脾湿が久しく鬱して,升降が逆乱し,枢機が転ぜず,痰濁を変生したのであるゆえ,導痰湯加味を以って治した。
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(茯苓・枳実4 生半夏8 陳皮3 天南星・瓜呂仁5 生甘草2)31
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煎薬時間は沸騰后,少くとも20分間とする。
薬服5剤にして,諸証は大いに減り,喉間には已に痰粘壅塞の感が無くなった。
原方を守服すること5剤にして,諸証は消失したので,香砂六君丸を以って善后を図った。
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按:多年の頑疾が,旬日で愈えたのは,全て星夏を生用した功である。
生南星は衝動性の祛痰薬で,性力は頗る強い,方書には温燥有毒なこと略半夏と同じいと載っている,如し修治して牛胆や姜礬制を用いると,薬性は全く失われ,薬力は大いに減り,陰寒痼閉・湿痰堅凝を開くことが出来ない。
古方の三生飲,七生丸,大醒風湯等では,南星は均しく生用である。
筆者は80年代初めより,師伝の法にて,生南星・生半夏を用いて奇難雑病を治療し,屡しば沈痾痼疾を起たせた。
発表したものでは類風湿,頚椎病,甲状腺瘤,女陰白変,胃脘痞満 等等がある。
今に至るまでを累計すれば,生南星は毎年600kgに上るが未だ中毒例を見ていない。
但し煎薬時間は20分間以上を要する。
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※これは煎じ薬でないと出来ませんね。

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