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鼻づまりの治療

鼻塞は肺内の薀熱と風邪の外感から起こる。
一年中続く鼻塞は反復して外感にかかり、邪気が内側に侵入して遂に肺気不宣となり、宿病となったものである。
治療には先ず散風解表に清熱を兼ねて銀翹散加減を使う。
表邪が解したら宣肺通竅法に変え、細辛を主薬とした蒼耳子散加減を用いる。
細辛は初めは5gから始め、だんだん増加して10gまで用いる。
細辛については根拠のない言い伝えがあります。
「細辛は一銭(3.75g)以上を使ってはならない」
その為にか近代の教科書や雑誌には細辛を一銭以上使った例は殆どありません。
しかし、『普済方』『金匱要略』『傷寒論』など前人の医籍に逆上ると細辛の用量には何ら制限がありません。
場合によっては一両以上も使われています。
細辛は温性の陽薬で寒気を駆逐し、上下の風邪を疎散し、全身至らざる所なく、上って沈まず、気は清で濁らず、能く降濁升清する。
だから鼻塞症に細辛と適当な佐使薬を使えば十分に君薬たり得る。
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63歳の男子、鼻が通らず、流涕・噴嚏の為に尋ねてきた。
2年来の鼻塞、いつも感冒にかかっているようで不快である。
いろいろ検査して慢性鼻炎と言われ、治療したが効果がなかった。
話をする時の鼻声がひどく、流涕・噴嚏の他はこれといった異常がない。
脈は浮数無力、舌質紅、苔薄白。
これは内に薀熱があり、加えて老年のため陽虚になり、いつも時邪を感受しているので肺気不宣となっているものである。
辛凉解表・宣肺通竅法をとることにする。
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 橘紅・薄荷・桔梗・当帰・半夏・桑葉・芦根・甘草・杏仁・連翹・牡丹皮・金銀花
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2剤で患者の流涕・噴嚏はずっと良くなったが、鼻塞だけは改善しなかった。
原方から 橘紅・半夏・桑葉・芦根・連翹・牡丹皮・金銀花 を去り、別に 防風・荊芥・紫蘇葉・白止・細辛・辛夷・蒼耳子・菊花・紫苑・前胡・桑白皮 を加えた。
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 (薄荷・桔梗・当帰・甘草・杏仁・防風・荊芥・紫蘇葉・白止・細辛・辛夷・蒼耳子・菊花・紫苑・前胡・桑白皮)
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3剤を飲んだ頃から鼻塞も次第に取れて来た。
細辛の分量は7剤目で10gにした。
更に13剤まで服用してすっかり治って廃薬した。
      「北方医話」 陳瑞英 より
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※細辛は小青竜湯にも含まれていますが、小青竜湯と本方では殆ど共通点はありません。

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