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風邪と鼻血

『傷寒論』麻黄湯の一条に、太陽病で発汗法を取るべき時機を失したが尚どうしても発汗させなければ切り抜けない緊急時に遅まきながら麻黄湯を用いるケースが書かれています。
(46) 太陽病,脈浮緊,無汗,発熱,身疼痛,八九日不解,表証仍在,此当発其汗。服薬已微除,其人発煩目瞑,劇者必衄,衄乃解。所以然者,陽気重故也。麻黄湯主之。
果たせるかな暝眩が起こりました。
胸が苦しく目がくらみ、あげくには鼻血が出でやっと楽になりました。
これは解表の時期が遅れたための苦肉策です。
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先日わが息子(成人)が風邪を引きました。
咽が痛い、体がだるい、少し寒気がある、頭も少し痛むというのが症状でした。
そこで軽剤である桑菊飲を飲ませました。
翌日にはほぼ良くなったものの鼻汁に血が混じっていました。
熱を体表(衛分)から全部取り切れなくて一部の熱が奥に残ってしまいました。
奥とは陽明気分・肺のことです。
これは先程の太陽病・麻黄湯のケースとは全く違う事はお分かりでしょう。
傷寒とただの春風邪では病邪が違います。
前者は風寒で後者は風温です。
流れるような鼻衄と鼻涕帯血も正確に云えば違います。
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さて奥に残った熱とは陽明熱です。
これには石膏が必要になります。
石膏といえば白虎湯(石膏・知母・粳米・甘草)が浮かびますが、ちょっと合いません。
仲間に玉女煎(石膏・熟地・麦門冬・知母・牛膝)というのがあります。
そこで桑菊飲+玉女煎として飲ませて事なきを得ました。
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※風邪は人により場合によってその都度変わります。毎回が新鮮で勉強になります。
ちなみに子供の鼻血には玉女煎を単独で使うと良いでしょう。

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