呉茱萸の修治(湯洗)
呉茱萸は呉茱萸湯や当帰四逆加呉茱萸生姜湯に含まれる薬味のひとつですが、日本では修治がなされているだろうか?
『名中医李可Dr.の急病重病難病臨床事例と理論』の中では呉茱萸を使う時には湯で九洗せよと繰り返し念を押している。
『傷寒論』では呉茱萸湯方の所で、呉茱萸一升(湯洗七遍)となっている。
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中醫クリニック・コタカの小髙修司氏は『呉茱萸は苦みやえぐみが強く、一般には6g 以下の使用量であるが、これも『傷寒論』の記述に従い「七回の湯通し」をすることで、著効が得られる15g の薬量服用を可能にしてある』と体験を記している。
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そこで私は実験をしてみました。
呉茱萸少々を茶漉しに入れ、茶碗に用意した熱湯200㏄程に漬けたり上げたりを九回繰り返してみました。
果たして洗液は苦く独特の香りがします。
一方洗われた呉茱萸の表面には苦味も香りもありません。
しかし噛むと中にはやはり苦味と香りが残っていますが半減しています。
この修治の意味は何であろうか?
思うに呉茱萸の実の表面の成分とは違った、中の方にある成分が有効成分なのかもしれない。
若しそうだとしたら、呉茱萸には是非とも七~九回湯洗したものを使ってもらいたい。
そうすれば呉茱萸湯や当帰四逆加呉茱萸生姜湯の味はずっと飲みやすくなるだろう。
全くのところ、この二つの処方の味ときたら飲めたものではないのだから。
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