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桂枝は衝逆を治す???

日本の古方家の元祖・吉益東洞は『薬徴』で「桂枝:主治は衝逆なり,旁治として奔豚頭痛、発熱悪風、汗出身痛がある。」と述べ、主治と旁治を強調している。
主治を強調するあまり「桂枝の本が解肌(傷寒表虚)であるとは,仲景氏の意に非ざる也。此れは誤入文であるから採用しない。」とも云っている。
これを最初に読んだ人は皆ビックリ仰天しただろう。
江戸期の停滞した漢方家の尻を叩くにはこれ位刺激的に云わなければならなかったのであろう。
東洞の発明は間違っているが与えた衝撃は大きかった。
それを契機にして日本の漢方は大きく進歩した。
しかし今なお東洞の説を信じて疑わない方々もネット上にはおられる。
それは“病機”というものを理解しないためであろう。
どうして衝逆が起こり、どうしたから衝逆が収まったという機序のことである。
《陰寒の気》が《三焦の通り道を塞いだ》から《行き場を失った陽気が衝逆した》のであり、桂枝が《陽気を通じさせた為に三焦の水道が通調して》衝逆が収まったのである。
やはり桂枝の効は“通陽”にあり、”降逆”はその結果に過ぎない。
結果を強調する余り病機がすっ飛んでしまったのである。
中国のネットで見付けたのだが、湯本求真の《漢皇医学》には「桂枝湯証の腹証は‥‥‥腹直筋の攣急は必ず右側に現れ,左側には現れないかあっても軽い,また気の上衝は必ず右側に沿って発し、左側は少ない。」と書かれているそうだ。
それは「人体の右側が陽で左側は陰」だから、右側の陽経である三焦の水道が水邪によって塞がれて腹直筋の攣急が起こり、気が上衝するのではないかと説明している。
日中合作の成果かも。
       人体脏腑能量循环

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