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独活寄生湯加減と肩周炎

江戸時代の漢方医、亀井南冥の言葉に『医は意なり、意は学より生ず、方に古今なく、要は治を期す』というのがあります。
この「医は意なり」という言葉を上田秋成は「医は意(こころ)なり」と訓み、誠心誠意、真心を持って、親切に奉仕することだと解釈していますが、私は長く腑に落ちないでいました。
そんな時に丁度 素晴らしい治験例に出会いました。
独活寄生湯といえば名の通り独活を主薬とした処方で、主に腰脚痹痛を治す下半身の薬です。
何とこの主薬を羌活と入れ替えて「羌活寄生湯」とし、薬効を上焦へ向けさせ、また肉桂を桂枝に替えて同じく“引薬上行”を図り、更に附子と鶏血藤を加えて“舒筋活絡”を強化するという方法で五十肩を治療したという報告です。
独活寄生湯加減
(羌活・桑寄生・秦艽・防風・川芎・党参・杜仲・牛膝2 当帰・茯苓・熟地・白芍2.5 鶏血藤3.5 附子・桂枝1.5 細辛・甘草1)34.5
ここでふと思ったのです。
これが「医は意なり」という事ではないかと。
即ち「医やすには方意(処方の意味するところ)を知らなくてはならない」と云う事ではないかと。
葛根湯医者という言葉があります。
これも本当の名医を指す場合と薮医者を指す場合があります。
名医は幾つかの病気を平凡な葛根湯で治す事がある。
それは葛根湯の真の方意を知っているからそれを応用しているのです。
薮医は葛根湯はありふれた処方だから副作用も大してあるまい、「当たれば幸い」とその場を濁す。

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