頚椎症と活絡効霊丹加味
頚椎症の漢方治療に活絡効霊丹加味を挙げたことがあります。
『活絡効霊丹の応用3』
この度は『活絡効霊丹加味治療頚椎病89例療効観察』という報告がありましたので紹介します。
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中医証侯辨証では次のような5分類がなされています。
1.風寒湿痺型12例
2.気滞血瘀型43例
3.痰湿阻絡型25例
4.気血虧虚型6例
5.肝腎不足型3例
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治療方法は 活絡効霊丹(丹参15 制乳香・制没薬・当帰10)45 を基本方としています。
風寒湿痺型 加羌活10g、桂枝6g;
気滞血瘀型 加川芎10g、紅花6g;
痰湿阻絡型 加僵蚕10g,半夏10g;
気血虧虚型 加黄芪30g、党参15g;
肝腎不足型 加山萸肉10g、牛膝15g
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治療結果は 1.風寒湿痺 2.気滞血瘀 3.痰湿阻絡 の三型に対して療効顕著としており、4.気血虧虚型 5.肝腎不足型 には余り効果がありません。
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討論分析
頚椎病は中医では血瘀証の痺証に帰属します。
活絡効霊丹は張錫純の《医学衷中参西録》に出てきます。
処方中の丹参は活血化瘀で、これに配当されている当帰は養血活血で、両薬の合用により補中に攻有り、攻中に補有りで「攻補兼施」となり活血化瘀の功能を増強しています。
更に乳香・没薬を配しているのは、これらの気味が「香竄入絡」で、経絡を通し、気血を暢行させ、薬力を病所に直達させるからです。
※経絡が閉塞して不通となった場合、乳香・没薬のような香りの強い樹脂類を使って「香竄入絡」させるか、土鳖虫・地竜・全蠍・烏梢蛇・蜈蚣などで「捜剔竄透」させるかのどちらかの方法を取ります。
また次の加減方も報告されています。
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葛羌活絡効霊丹(葛根10 羌活・当帰・丹参・乳香・没薬5)35
風寒+桂枝・防風10
上肢麻木+黄耆30 白僵蚕10
腎虚+続断・菟絲子30
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