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アトピーと胃強脾弱

案三、郭某,男,1歳半
一診:一九七二年五月十一日
患児は生后2个月から顔面に紅斑、丘疹が出来はじめてもう1年以上になる。
普段から消化不良で哺乳期間中はいつも下痢便だった。
長じてからも食べる量は多いが、食后暫くしてから便を催しそれも不消化便である。
身体は消痩で面色は白く、頭皮・顔面には片状の丘疱疹がある。
腹部及び両腿にもまた同様の皮疹があり、淡褐色で滲出液は少ない。
舌苔は薄白、脈証から見るとこれは「胃強脾弱,運化不健,水湿内生,浸淫肌膚」の脾虚湿蘊証である。
健脾理湿法、除湿胃苓湯加減小児化湿湯と同じ)
 蒼朮・陳皮・茯苓・沢瀉4.5 炒麦芽9 六一散6(包)  5剤

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燥湿相兼

 張某某,男,56歳,1998年5月17日診:
患者は3年前から頭皮が痒くフケが多く髪が脱けるのが悩みである。
それなのに顔面の皮膚だけは油ぎって光っている。
また鼻干・口干・唇干もある。
飲食や睡眼は良好で、大便干、小便は多く、舌質は紅く苔黄、脈は弦滑で寸浮。
証は燥湿相兼・客犯皮膚である。
清燥救肺湯合銀翹馬勃散
(党参・銀花・連翹5 枇杷葉・生石膏・阿膠・杏仁・麦冬・桑葉・馬勃・牛蒡子・射干3 甘草2)44
五剤の后、フケは減少していた。
続いて本方を約20剤服して病は愈えた。
 按:本案は燥邪によるものである。
顔面の皮膚が油ぎって光り、苔黄、脈弦滑なのは湿熱の邪を伴っているからである。
鼻干、寸脈が浮なのは病位が肺にあるのを表明している。
燥湿同治によって満足な結果を得た。
‥‥‥
声変わりして中学へ入った頃だったろうか、私はこれと全く同じ症状を経験した。
頭はフケ性なのに顔はギラギラ脂ぎっていた。
もっとも顔のギラギラなのは今でもそうであるが、。
老いた現在、老年皮膚掻痒症となったのも、ずーっと同じ体質を続けた結果であろう。
それにしても燥湿という矛盾する状態を兼ね持つ事があろうとは!
燥は「肺燥」、湿は「脾湿」、五臓が違えば燥湿と反対の状態があり得る訳ですね。

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乳児湿疹と成人アトピー

小児化湿湯《朱仁康》
[組成] 蒼朮・白朮・陳皮・茯苓・沢瀉・炒麦芽・六一散各6g
[主治] 小児湿疹。
小児湿疹で形体が消痩して顔色が萎黄で、食欲が無くて大便が緩く、舌淡苔膩の場合は脾虚湿盛の証です。
健脾除湿が正しい解決法です。
乳児湿疹は中医では胎瘀瘡・奶癬と称し、脾湿心火・湿熱証としています。
病初には清熱利湿を治法としますが、久病ともなれば「脾の運化が衰えて湿が内生する」ので脾を治すのが本治となります。
もし病初のままに苦寒清利の品を過服し続ければ脾胃の気を損ない病情は良くなりません。

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皮膚病を肺より論ず

喩氏の清燥救肺湯と言えば《医門法律·傷燥門》に出てくる処方で、内科の肺系疾病のものです。
清燥潤肺の功があり、「燥邪傷肺・気陰両傷」の重症が対象です。
燥邪”は中国大陸と違って、湿気の多い日本ではあまり馴染みがありません。
しかし環境的な「外燥」ではなく、体内で起こる「内燥」という状態なら幾らでもあります。
例えば老年皮膚掻痒症がその一つです。
中医学では「血虚生風生燥」がその病機であると云っています。
肺は皮毛の功能を主ると考えるので肺の失調は「肌膚失養」につながり本病を発するとしています。

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