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不眠に苦参が効くか?!

最新号の『中医臨床』137号 に「不眠症の中医治療」が特集されています。
その中でハッとしたのは主薬のひとつに苦参を取り上げている事です。
苦参には不整脈(心律失常)を治すという不思議な作用がある事は聞いていましたが、ここではまた不眠症にも使えるとは新しい展開です。
苦参の薬効は「清熱燥湿,祛風解毒」、陰痒や皮膚掻痒や湿毒瘡瘍に用いられるというのがこれまでの説で、睡眠に効くとは初耳です。
《本草経百種録》には「苦参は専ら心経の火を治し,黄連の功用に近い。但し黄連は心臓の火を去るが,苦参は心腑である小腸の火を去るのに多用される。」とあるのが幾らか考えを膨らませるか‥‥‥。
近年の薬理作用の研究では苦参塩基に「抑制小鼠的自由活动,可致小鼠入睡」というのがありましたが、。
では中国での実態はどうなのでしょうか?
不眠に苦参を使った症例を集めてみました。
(1)苦参500g, 水1000ml づつで三煎して煎液をまとめて1000mlに濃縮したものに糖を加えて、成人は毎次20ml(苦参10gに相当)を寝る前に飲む。
(2)苦参30g、酸棗仁20g, 水100ml にて煎じ毎晩睡前20分に頓服する。
(3)苦参10g—30g 水で煎じて服するか、又は粉にして蜂蜜で大丸として,一日三回,毎次一丸。
(4)苦​参​湯(苦参4 百合・酸棗仁・柏子仁1)7  毎晩臨睡前に頓服する。
雷某某,女,51歳,商人。
不寐を患って5年余になる。これまでに安神補脳液,刺五加片等を服したが効かなかった。
刻診:不寐多夢,頭暈心悸,耳鳴健忘,腰膝酸軟,発熱口渇,舌紅苔黄,脈細数。
此れは陰虚火旺の証である。滋陰降火,養心安神法が良い。
処方:(黄連9 黄岑6 白芍10 生地黄・柏子仁・炒酸棗仁15 阿膠9 炙甘草6 鶏子黄 朱砂3(冲服))
水煎服,毎日1剤。
連進すること5剤,だが効かなかった。
継いで原方に苦参10gを加えて復進すること3剤,上症は軽減した。
更に上方の苦参を20gに増加して続服すること2剤、上症は基本消失した。
効果を確実にするため,継服すること3剤。
張某,女,36歳,2009年3月16日来診。
主訴は失眠になって2年有余。
今までに朱砂安神丸、天王補心丹等を服薬したが効かなかった。
頭痛頭暈,煩躁不眠,手足心熱,夢多健忘,納少腹脹,白帯量多、色黄,口苦口干,色質紅、苔薄黄,脈弦数。
陰虚火旺兼湿熱内蘊の証である。
清熱養陰祛湿の法が良い。
(苦参・茯苓・酸棗仁15 当帰・白芍・百合12 竜骨・牡蛎30)
水煎服,日1剤。
服薬すること3剤にして,失眠等の症状は好転した。
原方を継服すること4剤で,毎日の睡眠は6h以上となり,胸悶心悸、煩躁不眠等の症状は消失し,手足心熱、夢多健忘は好転し,白帯は無くなった。
その後は単味苦参20gを水煎して入睡前30分に服用すること1周。
但し臨床治療で不寐への常用治療方薬中には苦参は余り見当たらない。
だが近年来,その単味或いは苦参配合の復方で不寐を治療したという報道が数点ある。
筆者は[単味苦参20g,水煎]を入睡30分前に服用させ,肝心火旺型に常用して効果を見ている。
復方ではどんな原因の不寐でも,12~15gを用いて効果を確かめている。
苦参は別名が「クララ」といい、その名は余りの苦さに頭がクラクラするというのに由来するそうです。試しに苦参10gを水煎して口に入れてみました。なるほど相当苦い。しかし覚悟して飲めば飲めないこともない。難病の不眠を治すにはこれ位いパンチの効いたものでないとダメかもしれない、な~んちゃって。

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