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李可老中医経験1

以前ブログにて紹介した「中医火神派の李可先生の著作」は立派な翻訳ではありますが、これを原文で見るとまた違ったニュアンスが読めて新たに気のつくところがあります。
そこで『古今医案---李可老中医急危重症疑難病経験専輯』をネットからダウンロードして、これを日本文に転換し、少しずつ電子ブックリーダー kobo にて読むことにした。
ブックリーダーは画面が小さくて意識を集中しやすく、本を読むのに誠に重宝なツールです。
一ページが短いので、難しい本でも飽きずに読めるのが良い。
以下少しずつ読んだ事をアップしていこうと思います。
‥‥‥
 直腸癌術后の尿閉
1982年3月17日,山医二院外科病房。
張坊林母,67歳。
直腸癌の術后に尿閉となって15天,導尿に失敗した。
面色は汎白,気怯神倦,少腹脹急,尿道が刀で割いた様に痛む,(手術の)創口の愈合が遅い,納まる食も少ない。
脈は細弱,苔は白滑。
高齢者の重病耗傷で,肺気虚のため水道を通調出来ない証に属す,当に先ず扶正しなければならない。
補中益気湯を与える。
(面色汎白,気怯神倦,納呆食少,脈細弱などから肺気虚と判断した)
生黄耆60gを用い,さらに白[艸/斂]10gを加え,益気と化腐生肌を図り,創口の愈合を加速する。
薬后に元気になり食欲が出て,尿意がするようにまでなったが,煩渇があり,多飲するも解けず。
これは下焦の水蓄で,膀胱の気化がうまく行かなくなっている。
五苓散に『験方新編』の通淋散を合わせ,さらに交泰丸を加えて膀胱の気化を蒸動し,止痙散の麝香にて下竅を通じさせる:
(交泰丸で膀胱の気化を蒸動するとはどういう事か?生黄耆60gの補中益気湯でおおいに補気したら煩渇となったので、これは新たな事態であり、それが心腎不交による水蓄下焦である)
桂枝、白朮各10g,茯苓30g,猪苓、沢瀉各15g,
“川牛膝30g,乳香3g”(通淋散),
川連、肉桂各10g(交泰丸),
全虫12只、蜈蚣1条、麝香0.2g(研未,熱黄酒送下)。
一番煎じを飲ませた后、艾条温灸にて気海・関元を30分間温めたら,尿意が出た,続いて二番煎じを飲ませ,又温灸すること40分,1時間許りして尿が通じて愈えた。
‥‥‥
白[艸/斂]
功能:清熱解毒;散結止痛;生肌斂瘡。
主治:瘡瘍腫毒,瘰癧,[湯/火]傷,湿瘡,温瘧,驚癇,血痢,腸風,痔漏,白帯,跌打損傷,外傷出血。
※白[艸/斂]はまた粉末を顔の美容に使う。
交泰丸
心腎不交の著名な中薬方剤。
主治:胸中痞悶[ロ曹]雑,大便が稀薄だと胸中が頗る快く,大便が堅いと痞悶して辛く,食欲が無い。
心火が偏亢して,心腎不交となり,動悸し,失眠する等の症。
気の升降が失常すると,水火不済(下にある腎水と上にある心火が交わらない)となる。
治法は「心腎を交通させる」事である。

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