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血府逐瘀湯

2014/08/22 ドクターG の病例は感染性心内膜炎でした。
この病気は中医学でいうと風心病(風湿性心臓病)です。
現代医学では原因を緑色連鎖球菌で、これが心内膜に疣贅を作り、それが弁の機能不全を起こすので先ず原因菌をやっつけるために抗菌薬(抗生物質など)を使います。
その後疣贅を取り去るための心臓手術を行います。
では漢方ではどのように取り組むのでしょうか?
TVの例のように、暑がり・微熱・盗汗・腹が脹る・脾臓の腫れ・息切れ・四肢腫脹など多くの症状が交差している場合はどのように取り組んでいけば良いのか?
複雑のようでも一番に目立つのは胸脇苦満(脾臓の腫れ)です。
これに盗汗が重なるとずーっと絞り込まれてきます。
思い出されるのが「瘀血盗汗」です。
  1 瘀血盗汗
 張某, 女, 48歳。
4年前に出現原因不明の心悸失眠, 盗汗, 神疲乏力, 胸悶嘆息, 胸脇が針で刺すような痛み, 甚しければ背部へ連る, 飲食は常の如し, 口渇するが飲みたくはない,月経量少, 色暗く血塊あり, 周期は正常, 食欲あり, 二便調う, 舌黯紅、苔薄白, 脈沈緩渋。
胸脇は肝経循行の処にして, 瘀血が胸中にありて, 気機が阻滞し, 肝鬱して疎泄せず, 故に胸悶嘆息, 胸脇刺痛となる;
瘀が久しくなると熱化する, 気鬱は火に化する, よって心悸失眠, 盗汗乏力が出現する; 月経量少, 色暗く血塊あり, 加えて舌、脈の所見は, 皆瘀血の象である。
辨証すれば気虚血瘀にて, 津液が外泄している, 益気活血止汗にて治とする, 血府逐瘀湯加減を用いる。
処方: (生地・生黄芪・太子参7 桃仁・赤芍・白芍・枳殻・桔梗3 川芎・五味子2 川牛膝・丹参5 牡蛎・浮小麦10)70
服薬すること 15剤にして愈ゆ。
※この例では病名が分かっていませんが現代医学が立ち入れば相当難しい病名がつくことでしょう。
瘀血盗汗のメカニズムはと云えば“気虚血瘀, 津液外泄”です。
瘀血が生成するのは「気虚するゆえの血瘀」という理屈です。
瘀血が阻滞すると、腠理(肌理)が空疎になり、津液が保持されずに追い出される。
ゴミなどで川の流れが悪くなると、ゴミを取り去り流れを良くして水が溢れないようにするのに例えられます。
《医林改錯》の作者、王清任は横膈膜の下の池のような満腔の瘀血を指して“血府”と名づけました。
本方の主治は胸部の瘀血証です。
現代では高血圧、精神分裂症、脳震蕩后遺症、慢性粒細胞性白血病、血栓性静脈炎、色素沈着、性功能低下、更年期綜合征、頑固性頭痛、頑固性低熱、眼底出血等で「瘀血内阻,日久不愈」に属する者に用いられています。

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