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李可老中医経験4

慢性腎盂腎炎急性感染
亜琴,女,40歳,県劇団演員。
1981年6月7日,連続徹夜の練習に因ってか,黎明時に突然少腹(下腹の片方側)が絞痛し,小便が滴瀝として通じ難くなり,1、2分間毎に,小便したくなり,灼痛すること刀割の如し。
発熱煩渇,肉眼で見える血尿,大便は3日行っていない,臍腹の疼痛は按ずることを拒む,裏急(渋り腹)して出ず,輾転顛倒す,痛苦は名状できない。
脈は沈数で実,舌紅く苔黄にして干。
訴えるところでは三四年来,いつも過労すると発し,一発するや十日から半月は愈らない。
当日の化験:白細胞19500,蛋白++++。
内科の診は“慢性腎盂腎炎合并泌尿系急性感染”で,已にフラントインを服し、ペニシリンを注射したが無効。
証は慢性と雖も,前后(二便)不通を見れば,仍お湿熱蘊蓄下焦之実証に属す。
而も労傷之体なれば,例えれば兵糧の無い軍隊と同じで,利は速戦に在り,邪去れば則ち正安し,姑息な方法では養姦(邪を養う)するだけである:
大黄15g,海金砂、沢瀉、血琥珀各9g,大蜈蚣6条,全虫(全蠍)12匹,共に細粉とし,蛋清(白味)6枚にて調糊し,3次に分け熱黄酒にて冲服する,3時間に1次。
上薬は午後1時には準備できたので,1/3を服したら,15分后には尿が出た、尿は血条を帯び約200ml,4時になって2回目の服薬したら,悪臭便を便器に半分も瀉下した,熱は退き痛みは止ったが,患者は已に疲労困憊して,すぐに入睡したので,残りの薬を捨てるように言い置いた。
次日の診では,尿道には仍お灼熱を感じ,気短(息苦しく)で食欲が無い,四肢は乏力で,煩渇して飲を欲する,脈は沈数,舌紅く少苔。
気陰は已に傷ついているので,猪苓湯にて滋陰通淋を,白参を加えて益気し,沙参、烏梅の酸甘にて化陰を図る:
阿膠20g(化入),茯苓30g,猪苓、沢瀉各12g,滑石30g,白人参20g(別に燉,とは隔水加熱方式による烹煮。),沙参、烏梅各30g,甘草梢6g,3剤の后其の病は遂に愈えた,追訪すること7年になるが未だ発せず。
※小便滴瀝難通に何故 駆風の蜈蚣・全蠍を加えるのか?
熱黄酒にて飲むのは薬を血分に導くため。
猪苓湯に白参を追加するほかに「沙参・烏梅」の二味をも追加するのは周到。

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