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おっぱいの出がわるい

ネットで調べると「授乳時の乳腺炎に葛根湯」というのが沢山ヒットします。医師も薦めれば保健婦も勧めるで、一体どうして誰も反対しないの?
葛根湯が当てはまる乳腺炎など万が一にもあるはずが無いのに。かつて誰かが発汗剤で乳汁が分泌する(汗と乳汁を同一視して)という迷説を発表していたらしい。中医学書のどこを探してもそういう治験は見当たらない。根拠の無い、日本発の伝承のひとつである。

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李可老中医経験4

慢性腎盂腎炎急性感染
亜琴,女,40歳,県劇団演員。
1981年6月7日,連続徹夜の練習に因ってか,黎明時に突然少腹(下腹の片方側)が絞痛し,小便が滴瀝として通じ難くなり,1、2分間毎に,小便したくなり,灼痛すること刀割の如し。
発熱煩渇,肉眼で見える血尿,大便は3日行っていない,臍腹の疼痛は按ずることを拒む,裏急(渋り腹)して出ず,輾転顛倒す,痛苦は名状できない。
脈は沈数で実,舌紅く苔黄にして干。
訴えるところでは三四年来,いつも過労すると発し,一発するや十日から半月は愈らない。
当日の化験:白細胞19500,蛋白++++。
内科の診は“慢性腎盂腎炎合并泌尿系急性感染”で,已にフラントインを服し、ペニシリンを注射したが無効。
証は慢性と雖も,前后(二便)不通を見れば,仍お湿熱蘊蓄下焦之実証に属す。
而も労傷之体なれば,例えれば兵糧の無い軍隊と同じで,利は速戦に在り,邪去れば則ち正安し,姑息な方法では養姦(邪を養う)するだけである:
大黄15g,海金砂、沢瀉、血琥珀各9g,大蜈蚣6条,全虫(全蠍)12匹,共に細粉とし,蛋清(白味)6枚にて調糊し,3次に分け熱黄酒にて冲服する,3時間に1次。
上薬は午後1時には準備できたので,1/3を服したら,15分后には尿が出た、尿は血条を帯び約200ml,4時になって2回目の服薬したら,悪臭便を便器に半分も瀉下した,熱は退き痛みは止ったが,患者は已に疲労困憊して,すぐに入睡したので,残りの薬を捨てるように言い置いた。
次日の診では,尿道には仍お灼熱を感じ,気短(息苦しく)で食欲が無い,四肢は乏力で,煩渇して飲を欲する,脈は沈数,舌紅く少苔。
気陰は已に傷ついているので,猪苓湯にて滋陰通淋を,白参を加えて益気し,沙参、烏梅の酸甘にて化陰を図る:
阿膠20g(化入),茯苓30g,猪苓、沢瀉各12g,滑石30g,白人参20g(別に燉,とは隔水加熱方式による烹煮。),沙参、烏梅各30g,甘草梢6g,3剤の后其の病は遂に愈えた,追訪すること7年になるが未だ発せず。
※小便滴瀝難通に何故 駆風の蜈蚣・全蠍を加えるのか?
熱黄酒にて飲むのは薬を血分に導くため。
猪苓湯に白参を追加するほかに「沙参・烏梅」の二味をも追加するのは周到。

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麻子仁丸の“脾約”について

まず『傷寒論』には「趺陽脈浮而渋,浮則胃気強,渋則小便数,浮渋相搏,大便則鞕,其脾為約,麻子仁丸主之。」とあります。
次に組成を見ますと、麻子仁・芍薬・枳実・大黄・厚朴・杏仁の六味です。
これは「小承気湯(大黄・厚朴・枳実)+麻子仁・芍薬・杏仁」の事です。
その訳は“胃強脾弱”だからと説明しています。
多くの人が間違えているのは「」です。
これは今日の胃ではなく、大腸・小腸を指します。
《靈枢・本輸》では“大腸小腸皆属于胃。”と明記しています。
大腸内での燥結だからこそ「小承気湯+潤腸薬」になっているのです。
“胃強脾弱”への誤解は「食べたいのに少し食べると直ぐ腹一杯になる」と解釈していることです。
そうではなく大腸に燥熱があるので「大便則ち鞕(かた)い」から小承気湯を使おうとしているのです。
脾は水津を運化して肺と膀胱に送ります。
水津が肺から全身へと配布され腸道に至れば便秘にはなりません。
その脾が弱くて水津を肺まで上げられないと、すべての水津は膀胱へ行ってしまい「小便数」となります。
本治すべきは「脾弱」の方です。
麻子仁丸を使うのは大腸の燥熱を取り去るという一時的な標治に過ぎません。
これよりして お年寄りの便秘に麻子仁丸を薦めるのは如何かと考えます。
標治よりも本治を考えるべきです。
王節齋曰く: 若し年高人が脾虚血燥となれば, 饑え易く飽き易く(食べたいのに少し食べると直ぐ腹一杯になる), 大便燥きて難となる, それには白芍藥, 當歸各一兩, 人參七錢, 升麻, 炙甘草各四錢, 山薬, 大麥芽, 桃仁各五錢を用いる, 此れは老人の常服藥也。
※お年寄りの便秘には是非ともお薦めしたい。
王節齋方(当帰・白芍5 人参3.5 升麻・炙甘草2 山薬・麦芽・桃仁2.5)25g

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