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おっぱいの出がわるい

ネットで調べると「授乳時の乳腺炎に葛根湯」というのが沢山ヒットします。医師も薦めれば保健婦も勧めるで、一体どうして誰も反対しないの?
葛根湯が当てはまる乳腺炎など万が一にもあるはずが無いのに。かつて誰かが発汗剤で乳汁が分泌する(汗と乳汁を同一視して)という迷説を発表していたらしい。中医学書のどこを探してもそういう治験は見当たらない。根拠の無い、日本発の伝承のひとつである。
通常もっとも多く見られるのは乳房が萎んで膨らまない(気血の虚)のではなく、乳房が痛むほど張っているのに乳汁が気持ちよく出ないというタイプ(肝気鬱滞型)です。
何故 乳汁が出にくいかというと、乳房をまとっている肝経という経絡が気滞を起こしているからです。
肝の経気が阻滞しているのを通して流してやれば乳汁は滞り無く分泌されます。
次に中医学での代表的な実施例を挙げます。
下乳涌泉散《清太医院配方》
【処方】 (王不留行・花粉・生地15 絲瓜絡10 穿山甲・当l帰・木通・白芍・漏芦・桔梗・通草9 白止・川弓・青皮・路路通6 柴胡・甘草3)
【功能主治】肝気鬱滞型の産后乳汁の出渋り。
【主要症候】産后に乳汁が出渋る,濃稠か,或いは乳汁が詰まって出ない,乳房は脹り硬く疼痛する,情志は抑鬱し,胸脇が脹悶する(乳汁が出ないので),食欲は不振,或いは身に微熱が有る,舌質は正常,苔は薄黄,脈は弦細か或いは弦数。
症候分析:情志不舒とは,肝気の鬱結である,気機が不暢となれば,乳脈は淤滞し,乳汁が出なかったり、渋って少なかったりする;
乳汁が淤積すれば,乳房は脹り硬く、疼痛し,乳汁は濃稠となる;
肝脈は脇肋に分布するが,肝気が鬱滞し,宣達を失すると,胸脇は脹悶する;
肝気不舒になれば,情志は抑鬱される;
木鬱克土により,脾が健運を失えば,食欲は不振となる;
乳淤が日久しくなれば化熱し,身に微熱が有る。
舌質は正常だが,苔は薄黄で,脈は弦細か或いは弦数となる,これは肝鬱気滞か或いは化熱の証である。
【治療法則】疏肝解鬱,活絡通乳すべし。
(乳汁濃稠,乳房脹硬‥‥‥肝鬱気滞
患者,女,28歳。順産后3天乳汁甚少。
症見:乳汁濃稠,乳房脹硬疼痛,情志抑鬱,食欲不振,大便干,小便黄,舌質紅,苔薄黄,脈弦。
診断:産后缺乳。
証属:肝鬱気滞。
治療:疏肝解鬱,通絡下乳。
方薬:下乳涌泉散加减
(当帰・川芎・白芍・生地黄・柴胡・青皮・白芷・甲珠・橘絡10 王不留行1 2 通草・淮山薬1 5 桔梗・甘草6)
水煎服,毎日1剤,服2剤后乳汁分泌増多,疼痛減軽,再服2剤而愈。

(乳汁稀少,乳房柔軟‥‥‥気血の虚+肝鬱気滞
患者,女,26歳,農民,2008年9月7日就診。
産后7日,乳汁稀少,乳房柔軟,食欲不振,胸脇脹悶,情志抑鬱,苔薄黄,脈弦。
診断:産后缺乳,肝鬱気滞型
治療:疏肝解鬱、通絡下乳
処方:下乳涌泉散加減
(当帰・白芍・穿山甲10 黄芪・生地黄15 柴胡・通草・王不留行3 天花粉・桔梗9 川芎・青皮・甘草6)
毎日1剤。
治療5日后 乳汁分泌正常,乳房充盈。

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