手や足の痺れ
手や足の痺れについて相談を受けることがあります。
しかし私には良い思案が浮かびません。
先だってもある婦人から足が痺れるという事で何か無いかと求められました。
『金匱要略』に身體不仁を「血痺」となして黄耆桂枝五物湯を上げていることから、これを紹介しました。
しかし結果ははかばかしくありません。
最近、電子書籍アプリで『橘窓書影』を読んでいましたら次のような例がありました。
広尾の幕臣、辻氏の夫人が、風邪のような状態で、寒気や頭痛のような、表証が取れた後、右の脚が引きつって 腫れ痛み、起きあがったり、歩いたりすることができなくなった。私は診察して、熱は下がったと言っても、脈は浮いて速い。これは邪気が下がって、筋脈の流れがうまく働くことができないのだと、金匱要略と言う本に出ている、続命湯を与えたところ、4,5日でよくなった。
それでふと、小続命湯があるじゃないかと気がつきました。
それには
『千金要方』の著者孫思バクは中風発作の原因を“体表における気の鬱滞”の最大のもの、即ち“鬱極”だと考えました。そして“体表の鬱”を治療するのに汗法を持ってきたのは大変斬新な方法ではありませんか!
とあります。
「手足の痺れ」だけでは“中風”ではありませんが、これも“鬱極”のひとつだと考えられないだろうか?
それなら“営衛”の気を徹底的に通すことで痺れが回復するのではないだろうか?
今度またそのような相談を受けたら一度 小続命湯を使ってみようと思っている。
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