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菊参湯の応用

菊参湯とは[菊花6~20・川芎10~30・丹参10~60g]の三味からなる処方で、北京市の名老中医・王彦恒老師はこの処方には「清脳神,通脳神」の作用があり、精神障碍性疾病の基本方となると推奨しています。
菊花については《本草蒙筌》に“駆頭風,治頭痛暈眩,清頭目第一,……安腸胃,除胸膈煩熱”と説明があります。
丹参については《日華子本草》に“養神定志,通利血脈,治……血邪心煩,頭痛”と説明があります。
川芎については《本草正義》に“能上達頭目,直透頂巓。……旁行肢節,貫通脈絡,透達腠理,開泄肌膚”と説明があります。
この基本方に色々加減をして、抑鬱・易怒・頭痛・眩暈耳鳴・失眠・狂躁・頻尿,夜間多尿・健忘・陽痿など、精神障碍と何らかの関わりがある疾病に応用される。
たとえば
1 肝気鬱結証‥‥‥抑鬱症状に疏肝理気法として菊参湯合柴胡疏肝散加減を用いる。
(菊花、川芎、丹参、佛手、香櫞、枳殻、白芍、香附、鬱金、合歓皮等)
2 痰蒙神明証‥‥‥痴呆症状に化痰開竅法として菊参湯合導痰湯加減を用いる。
(菊花、川芎、丹参、半夏、胆南星、遠志、天竺黄、石菖蒲、鬱金等)
3 肝火熾盛証‥‥‥易怒症状に清泄肝熱法として菊参湯合竜胆瀉肝湯加減を用いる。
(菊花、川芎、丹参、竜胆草、梔子、黄芩、鈎藤、夏枯草、生地、炒棗仁、合歓皮等)
4 肝陽上亢証‥‥‥易怒,眩暈耳鳴に平肝潜陽法として菊参湯合鎮肝熄風湯加減を用いる。
(菊花、川芎、丹参、生石決明、生磁石、生竜歯、生珍珠母、亀板、懐牛膝、玄参、生麦芽、茵陳、炒棗仁、夜交藤等)
5 肝陰虚証‥‥‥眩暈耳鳴,両目干渋,足熱に柔肝養陰法として菊参湯合一貫煎加減を用いる。
(菊花、川芎、丹参、枸杞子、沙参、麦冬、生地、当帰等)
6 陽明熱盛証‥‥‥心煩躁擾に清泄陽明法として菊参湯合白虎湯與三黄瀉心湯加減を用いる。
(菊花、川芎、丹参、生石膏、黄連、黄芩、地丁)
7 痰火擾神証‥‥‥狂躁に清火化痰法として菊参湯合礞石滾痰湯加減を用いる。
(菊花、川芎、丹参、礞石、大黄、黄芩、鬱金、胆南星、天竺黄、遠志等)
8 血瘀内阻証‥‥‥夜間頭痛に活血化瘀法として菊参湯合血府逐瘀湯加減を用いる。
(菊花、川芎、丹参、紅花、桃仁、当帰、牛膝、赤芍、鶏血藤等)
9 腎気虚証‥‥‥頻尿,夜尿多に補益腎気法として菊参湯合大補元煎合縮泉丸加減を用いる。
(菊花、川芎、丹参、益智仁、山萸肉、枸杞子、山薬、杜仲、党参、沙苑子、菟絲子、何首烏等)
10 腎精不足証‥‥‥健忘呆鈍に補腎益精法として菊参湯合還少丹加減を用いる。
(菊花、川芎、丹参、杜仲、牛膝、肉從蓉、巴戟天、山茱肉、五味子、茯苓、山薬、熟地黄、枸杞、楮実等)
11 腎陽虚証‥‥‥陽痿,女子不孕に温補腎陽法として菊参湯合二仙湯加減を用いる。
(菊花、川芎、丹参、仙茅、仙霊脾、巴戟天、当帰等)
12 腎陰虚証‥‥‥眩暈耳鳴,腰膝痠軟,五心煩熱,失眠多夢に滋陰降火法として菊参湯合左帰丸加減を用いる。
(菊花、川芎、丹参、山萸肉、枸杞子、熟地黄、山薬、女貞子、亀板、鼈甲、柏子仁、炒棗仁、知母、黄柏等)

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