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芍薬甘草湯とこむらがえり

芍薬甘草湯は『傷寒論』では、傷寒という急性感染症の治療に当たって、誤治で発汗させてはいけない場合に発汗を行い、体液を消耗させて(誤汗傷津)筋肉の濡養を失って脚が引きつれる(脚攣急)という状態を救うために用いられた処方です。
通常ならば、たかが発汗ぐらいで脚が引きつれる事はありません。
だから誤汗傷津が起るのは、よくよくの場合なのです。
それは病人は発熱しているのに脈が沈細で、ただでさえ陰血(体液と血液)が不足していて発汗などという荒療治を採るなどもってのほかという時です。(汗は血より生じる)
この時の誤治は重大です。
その結果、脚攣急が起ったのですから病人の急迫は並大抵ではありません。
原因が単に体液不足だけなら現代では輸液という簡便な方法がありますが、基本に陰血両方の不足があるため誤汗傷津から容易に回復する事は望めません。
それを救うのが芍薬甘草湯(芍薬・甘草 各30g)となると、これは大変な救命の特効薬です。
さて現在わが国で使われている芍薬甘草湯といえば「芍薬・甘草 各3g」で、原方の1/10に過ぎません。
とても本来の芍薬甘草湯と同じように使う訳にはいきません。
それを効能の「脚が引きつれる」というのだけを引用して「こむらがえり」の特効薬として宣伝しているのが実情です。
また「こむらがえり」位いなら誰にでも起る日常事です。
体位の関係で簡単に起り、また直ぐに簡単に治ります。
薬など必要な病気ではありません。
それなのに「こむらがえりに芍薬甘草湯」となると、これは全くの商売のための戦略というほかはありません。
日常的な「こむらがえり」は病気ではなく単なる一過性の痙攣に過ぎませんから薬の対象にはなりません。
誰もそれを指摘しないのは何故でしょう?

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