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祛風薬(2)

ネットからの伝聞によれば、アトピー性皮膚炎を漢方で治療し始めたのは1965年以降のことで、山本巌先生が補中益気湯を使用した事が弟子達に口伝で広がっていたそうだ。
現在でさえ注目に値する情報ですから、これは当時はすごく斬新で画期的な方法と考えられたことだろう。
この補中益気湯が即ち李東垣の“甘温除熱”、“益気升陽”法の代表的な処方のひとつです。
アトピー性皮膚炎の中には確かに消風散・温清飲・荊芥連翹湯・柴胡清肝湯など一連の清熱除湿解毒剤の対象とはならない一群があります。
それらに補中益気湯を用いると一定の効果が見られるというのは「アトピー性皮膚炎が陽火ではなく陰火であり、升陽でなければ散火できない」事の証拠です。
ここにおいて風薬升陽の概念が登場します。すなわち、
「脾胃の元気不足の者は,周身の栄衛の気も亦消弱であり,外邪を表達することが不能で,それが逗留して散じなければ,転陰内陥する慮れが出てくる(陰火性のアトピー性皮膚炎)。此の時の治療法が益気升陽という“内托”の方で,托裏発汗(裏を補って発汗にいたる)して,はじめて其の栄衛が通ずる。」
たとえば内托栄衛湯 (黄耆、人参、炙甘草、柴胡、当帰身、羌活、防風、連翹、生黄岑、蒼朮、紅花、桂枝)があります。
其の中に配伍されている羌活、防風、蒼朮はみな「升陽気,散風湿」に働き、并せて肌表にありては能く升発補気薬となり,托裏散邪の作用を強める。
※補中益気湯をアトピー性皮膚炎に使われた山本巌先生には先見の明があったと今更に脱帽の感慨があります。

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