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足がほてって寝苦しい

この頃の蒸し暑い夏の夜に「足がほてって寝苦しい」事がありませんか?
よく引き合いに出されるのは三物黄芩湯という漢方処方ですが、ちょっと頭をかしげたくなります。
中医師・藤田康介先生のブログ「中医・我が愛しの上海へ/理想の中医学・漢方を」 2011年05月09日 に、『「のぼせ」の中医学的なある考え方』と題した記事があります。
ここで述べられている「のぼせ」という表現が顔ののぼせばかりを連想させますが、ほかに手足の煩熱も含めて云っているので「ほてり」とでも言い換えた方が良さそうです。
例に挙げられているのは昇陽散火湯(升麻・葛根・独活・羌活・白芍・人参・生甘草・炙甘草・柴胡・防風)です。
日本ではあまりお馴染みではありませんが、是非とも活用したい処方です。

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白牛宣肺湯と喉源性咳嗽2

どうも腑に落ちないことがあります。
《中医証候鑑別診断学》には確かに「清燥飲(防風、連翹、薄荷、杏仁、甘草、桔梗、天花粉)から白牛宣肺湯(白僵蚕 牛蒡子 杏仁 前胡 桔梗 荊芥 紫苑 甘草 薄荷)へと発展した」と書かれてはいるが、双方は似ても似つかぬ組成である。
一方で、「かかりがけの風邪に六味湯加味」で紹介した時は「喉源性咳嗽とは, 干祖望教授(南京中医学院)が最初に発見して命名した病名です。」とあり、六味湯 (荊芥・防風4 陳皮・白僵蚕・桔梗3 生甘草・薄荷2)21
六味湯加味(桑葉・白芍5 荊芥・防風・桔梗・蝉衣・白僵蚕・杏仁・前胡・百部・牛蒡子3 甘草2)39
などが挙げられており、白牛宣肺湯は登場していません。
まあ細かいことはさておいて、六味湯も白牛宣肺湯もどちらも使いやすくてよく効く処方です。
それよりも気づいて欲しいのは、喉源性咳嗽という呼称のことです。
これに対応するのは肺源性咳嗽ということになりましょうが、こういう区別は日本では聞いた事がありません。
便利で理解しやすいと思いますが如何ですか?

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白牛宣肺湯と喉源性咳嗽

白牛宣肺湯(経験方)についての構成は(白僵蚕 牛蒡子 杏仁 前胡 桔梗 荆芥 紫菀 甘草 薄荷)であると「白牛宣肺湯治療喉源性咳嗽」に記載があります。

また「咳嗽的辨治_百度文庫」にも最初の軽清宣散方として登場するところを見ると結構有名な処方のようです。
私が白牛宣肺湯にたどりついたのは「咽喉痒咳経験方
に「《長江医話》湖南[林β]州名医呂敬江氏《留心與創新》一文--清燥飲 を参照して」とあったからでした。
幸い書棚に《長江医話》がありましたので見ますと、次のように書かれています。
1982年秋,当地では“燥感”が甚だ多かった。
其の証は温(熱)凉(寒)が并せて現れた:
凉燥に似ているのは鼻干、結痂,唇紅,咽痛,口鼻烘熱して辛い;
温燥に似ているのは痰が白くて稀薄,鼻塞して清涕を流し,脈の多くは数ではない。
杏蘇、桑杏の諸方を投じても,皆あまり効かず,逆に症状が重くなった。
ある日,私は証に拠って一方を擬した。
防風、連翹、薄荷、杏仁、甘草、桔梗、天花粉 の七味の組成で,一度の投薬で即効があった。
その后何度も実践して,均しく満足な効を収め,一般には二、三剤で愈えた。
そこで''清燥飲”と命名しました。
三年前から連続して,証に拠って此の方を使用しているが, 他の外感表証にも拡用できる。
ただし口鼻烘熱を兼有していなければならない。
更に口唇単純性疱疹への治療効果にも宜しい。
つまり清燥飲から発展してきたのが白牛宣肺湯というわけです。
参考までに、医案は次にも載っています。
ちなみに本病の咳嗽は皆 喉痒から起り,痒くなければ起らない喉源性であることを断っています。
是非、桑菊飲や銀翹散を使う前に白牛宣肺湯も常用処方として考慮に領収入れておいて欲しいと思います。

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てこずったセキ

中医证候鉴别诊断学》に「168.風擾肺系証」という証の項目がある。
これは風邪が外襲して肺気が宣降作用を失い,日久しくなっても風邪が尽きず,肺系に滞擾し,咽喉に波及した証候である。
本証の多くは感冒の后に発し,外邪が留擾して尽きず,大証ではないけれども,遷延して難愈である。
主要臨床症状:咳嗽日久不愈,咽痒,甚則胸痒窒悶,痒則咳嗽陣作,痰少而粘,或伴鼻塞,流涕,舌苔薄,脉浮。
ここで登場するのが 白牛宣肺湯(《睡眠障碍的中医治療》)加減 という処方です。
組成は書かれていませんが、興味津々です。
というのは、私の妻が昨年の11月初めに肺炎の予防注射をした後に風邪をひいて、ゴスンゴスンと少し痰のからんだひどいセキをするようになりました。
それで色々とこれぞと思う処方を幾つも試してみました。
六味湯加味 桑菊飲 六安煎加減 瀉白散加味 桑杏湯加味 百合固金湯 などなど。
まことにお恥ずかしき限りです。
しかし的を外しては何としても治りません。
日時をかけた自然治癒の力を借りて、現在はかなり軽くはなっていますが時々セキをしています。
そんな時にぶつかったのがこの「風擾肺系証」でした。
「外邪が留擾して尽きず,大証ではないけれども,遷延して難愈」とは誠に云い得て妙。
白牛宣肺湯について目下調査中。

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