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自家感作性皮膚炎

『家庭医学館』の解説によれば、貨幣状湿疹などがが悪化すると「湿疹の患部で変性した皮膚たんぱくが抗原となり、全身がこのたんぱくに感作される(アレルギー反応をおこす)ためにおこると考えられています。このことから、自家感作性皮膚炎と呼ばれています。」
又これらの皮疹を撒布疹という。

貨幣状湿疹の続報3で掲げた 2015/08/29 (画像5)の「“湿”と“熱”に分離し始め‥‥‥汗をかくように分泌液が出始めた」のを暝眩だと判断しましたが、これは自家感作性皮膚炎を併発した結果ではなかったかと今になって気が付いた次第です。

その後も朱仁康方を11月まで服用し続けていましたが一向に範囲の減少も無く炎症が終息しない事から、ふとこの自家感作性皮膚炎を思い出したのです。
現代医学では、ステロイドを内服するか抗ヒスタミン剤を外用するか等が対応法になっています。
では漢方や中医学ではどのように扱うのでしょうか?
趙炳南臨床経験集 医案選に一例が載っています。
孫××,男,36歳,初診日期1971年10月30日。
主訴:四週間前から全身に皮疹が出て,掻くと后に汁が流れて痒い。
現病史:左踝の内側に一皮損があり,掻痒流水すること已に一年以上になる,この一月来 全身に汎発するようになった,紅斑、丘疹、水疱が出て,灼熱感がある。
診治を経るも,効果が顕れず,日に日に広くなった,夜寐不安,納谷不香(食欲不振),口苦,便干,溲(小便)黄赤,心煩急躁。
検査:頭、顔面部及び全身に大小様々な紅斑が散発しており,米粒大の粉紅色皮疹を呈している,其の間に緑豆大の水疱があり,一部分は掻破して,鮮紅色の糜爛面を呈し,黄色の滲出物及び痂皮が附有している。
脈象:弦滑而数。
舌象:苔白く中は黄,舌質は紅。
西医診断:自家敏感性皮炎。
中医辨証:湿熱蘊久,化毒入営,外感毒邪。
立法:清熱凉血,除湿止癢。
方薬:加味清熱凉血駆敏湯
(鮮茅根20 干生地・白蘚皮10 大青葉・川軍・竜胆草・赤芍5 黄岑・黄柏・黄連・丹皮3 青黛(生槐花の誤りか?)4)76
外用:去湿薬油、竜胆草擦剤。
11月6日 上方を七剤服した后,飲食は増加し,大便は已に通り,小溲は清み,口は已に苦くなくなり,心煩急躁は已に除かれ,全身の紅斑、皮疹は明らかに消退し,滲出物は已に停り,大部分は結痂しており,少し痒い,脈は緩,苔は薄黄,症は已に好転している。
生槐花、鮮茅根、大青葉、川軍、黄連を去り,健脾去湿薬の生苡米・生扁豆・生白朮5,生枳殻3,車前草10 を加える。
外用薬は前と同じ。
11月13日 前方を六剤服した后,諸症は已に除かれ,全身の紅斑、皮疹は全部消退し,少し痒い,左小腿内踝の皮損の大部分は已に愈え,脈は緩,苔は薄白。
湿熱は已に解し,症は已に愈えたので,除湿丸を再投して内服させ,以って除湿止痒させ痊愈とした。
[按語] 本病は慢性湿疹からの急性発作か或いは皮膚が外界の刺激を受けて,自家敏感性皮炎を発生し,全身性となったものである。
趙老医生は中医の血風瘡(血風型湿疹についてはこの前一度触れたがまだ検討不十分だった)と認めた,多くは脾湿胃熱に因り,湿熱蘊久化毒となり営血に入ったか,外感の毒邪が[月奏]理の間に発したものである。
熱は陽邪であるから,体表に発し,紅く発斑し,皮疹は全身に及ぶ,一部の皮損では紅く腫脹して黄水を流す;湿熱は中焦を阻むので不思飲食,心煩易躁を出現する;
湿熱が上へ行くと紅斑、皮疹は頭や顔面へ遍及する;
湿熱が膀胱へ下注すると小溲は赤くなり,口干苦,大便干結する。
舌質紅,苔黄膩,脈滑数等は,均しく湿熱熏蒸之象である。
方中の黄芩、黄連、黄柏は三焦之火を通瀉する;
大黄は湿熱を除く外に,潤腸通便之功もある;
丹皮は凉血化瘀;
赤芍は凉血活血;
胆草、青黛は除湿熱と瀉火;
大青葉、鮮茅根は清営凉血と解毒;
白蘚皮は清熱去湿に,利小便を兼ね,能く湿熱を小便より出させる。
湿熱が久しく蒸していると,胃陰は必ず虚す,ゆえに生地を配用して清熱滋陰する。
以上の諸薬が清熱解毒、凉血活血を同時にし,活血化瘀の薬物を兼用すれば,血中の熱邪は清となり,瘀血が消える。
継いで培土健脾去湿の生苡米を以ってせば,利水滲湿は,下焦に疏導され,去湿しても助熱せず;
白朮、扁豆は補脾去湿;
車前は滲湿清熱,利小便清湿熱;
茵陳清熱去湿,善利小便。
最后に除湿丸を改服して以って余湿を除き止痒して痊愈する。
また 自身敏感性湿疹 という別の検索では、清熱除湿,凉血散風の作用のある
(白茅根20 大青葉・竜胆・茯苓・猪苓・生地・白蘚皮5 黄岑・黄柏・丹皮・防風3)62
上の処方が紹介されています。
内容から見てこれは明らかに趙炳南の加味清熱凉血駆敏湯の改良方です。
こちらの方がより良さそうなので 2015/11/12 からはこれを服用し始めました。(つづく)

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