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王不留行散ありますか?

本で読んだが「王不留行散があるか」との問い合わせがありました。
何に使うのですかと聞けば、(乳がんの)手術の後で使えば痛みが少ないと。
世間ではそんな情報が流れているのですね。
嬉しいですね、だけど単純に喜んでいいのか?
薬事法のせいで、薬局でも王不留行散は求めても得られない事になっていますから。
王不留行といえば、私は産後の乳汁欠乏にしか使ったことはありませんが、調べてみると王不留行散というのは《金匱要略》の処方で、王不留行、蒴藋(そくず)細葉、桑白皮の黒焼きに、甘草・川椒・黄岑・乾姜・芍薬・厚朴の粉末を合わせたものです。
応用は「金瘡(刀傷)などの小瘡には粉をふりかけ、大瘡には服用する、産後にも良い」とあります。
王不留行(おうふるぎょう・ドウカンソウの種子//フシグロの種子という説もある)とはまた変わった名前の薬草名ですが、李時珍の『本草綱目』には「性、走りて住(とどま)らず。王命有りと雖も其の行くを留むる能わず、故に名づく」とあるようです。
それで“活血通経通乳”などの効能があるとなっています。
ネットには驚きの記事が出ていました。

以前私の従兄弟が右腕を切り落としましたが、山口大学付属病院で十数時間の手術で無事つながりました。この時すぐに飲ませたのが「王不留行散」です。手術後3日ぐらいは激烈な痛みのためにいくら歯を食いしばって耐えようとしても涙が出る、うめき声が出るのが普通というのに、従兄弟はけろっとしていました。看護師さんが我慢強いと驚いていましたが、本当にあまり痛くなかったというのが本人の話です。

なるほど、それで「手術の後で使えば痛みが少ない」という噂が流れたのでしょうか‥‥‥。
《金匱要略方論》には、王不留行散の主治は金瘡で、効能は「出膿血,暖肌生肉」、応用は「金瘡。癰疽發背,一切瘡腫。」となっており、オデキにも良いらしい。
得体の知れないような「太乙膏(タイツコウ)」よりもこちらの方がよほど使えそうだ。

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