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中気理論と黄芽湯

今度の『中医臨床』v36-4 は実に読み応えがある。
 黄元御の中気理論では「昇降の源はすべて中央にある」「中気が虚衰して昇降作用に異常を来すことは万病の元である」として、 「中気が衰えれば昇降の道が塞がるので, 腎水は下降して冷え腎精が病み, 心火は燃え上がって精神が病み, 肝木は左側で鬱滞して血病になり, 肺金は右側で鬱滞して気病が起きる。精神が病めば驚き怯えて休まらず, 腎精が病めば遺精となり, 血が病めば凝結淤滞して流れなくなり, 気が病めば痞塞して宣布されない。四維(心肺肝腎)の病はすべて中気が原因である」、故に「中気治療には, 陽を重視し補火・培土・瀉水する」「病気を追い払い長生きするための方法としては, 中気を転運させ,清濁を元の位置に戻すことに勝るものはない」と考え、黄芽湯を創成した。
処方は人参・炙甘草・茯苓・乾姜から成るが,崇陽補火するために人参・乾姜を用い,培士泄水するために炙甘草・茯苓を用いたものである。 わずか4味ではあるが, 組み合わせが絶妙で、効果は適切かつ強力であり, 長く実践を経験したものでなければ考案できないものである。

黄芽湯は理中湯・四君子湯とよく似た処方構成です。
理中湯には「白朮・干姜」があり健脾温中する。
四君子湯には「白朮・茯苓」があり健脾滲湿養中する。
黄芽湯には「干姜・茯苓」があり温中滲湿(崇陽補火・培士泄水)する。
微妙な差ではあるが、そこには妥協を許さない弁証の厳しさがある。
黄芽湯《四聖心源》(人参三銭 炙甘草・茯苓・干姜二銭)
 其有心火上炎,荒悸煩乱,則加黄連、白芍以清心。
 腎水下寒,遺泄滑溏,則加附子、川椒以温腎。
 肝血左鬱,凝渋不行,則加桂枝、丹皮以舒肝。
 肺気右滞,痞悶不通,則加陳皮,杏仁以理肺。
[病例] 傅×,男, 60 歳。
口腔に多発性潰瘍が生じて 8 个月余になり,多くの医院で診治し,西薬を 50 余日間服したが無効で,その后 牛黄解毒片、六神丸、 六味地黄丸なども服薬したがどれも好転しなかった。
診ると患者の舌尖、舌辺、口腔 粘膜に大小多くの潰瘍があり,色白く周囲が紅暈で,灼熱疼痛する。
心煩,失眠,納和,食后腹脹,大便[シ唐],乏力,舌紅絳、苔剥脱,脈細数。
そこで上方に附子 12 克,白芍 10 克,黄連 6 克を加えた。
3 剤后に潰瘍は明らかに好転し,全部で 12 剤を服して愈えた。
※アフター性口内炎に 黄芽湯+黄連 の適応者が多いのではないかと思っています。

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