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薬剤性パーキンソン症候群

2016年1月7日の「ドクターG 転びやすい」はショックでした。
景山ひなさん(仮名)28歳は精神的なストレスから睡眠障害と胃障害を起したので近所のクリニックを訪れた。
そこで睡眠導入剤と胃薬が投薬された。
2ヶ月間の治療で体調が回復して喜んでいた。
ところが一週間ほど前から転びやすくなって、来院の前日には人と軽くぶつかっただけで背中から倒れてしまった、という状況。
‥‥‥
それが何と胃薬として出されていたスルピリド(ドグマチールのジェネリック)による副作用、薬剤性パーキンソン症候群を起こしていたというのが正解でした。
添付文書によれば、胃・十二指腸潰瘍には「スルピリドとして、通常成人1日150mgを3回に分割経口投与する。」となっている。
スルピリドは又 うつ病にも統合失調症にも用いられ、用量は二倍、三倍量になる。
短期間で劇的に良く効く場合があり、まことに重宝な薬です。
しかし諸刃の剣で、この例のような予期せぬ重大な事態になる事もあるということ。
‥‥‥
この番組を見て思ったのはスルピリドの作用機序についてです。
もともと胃薬として開発された本薬の効果がどのような作用機序によるものなのかが問題です。
スルピリドは脳からの神経伝達物質であるドーパミンの分泌を抑えます。
すると胃では副交感神経を刺激するアセチルコリンの分泌が促されて消化管の運動が活発になり、食物の胃の中での滞在時間が減り痛みを和らげます。
胃の病を治すのに脳をいじっている事に違和感を覚えます。
消化管の運動が衰えて不眠になった原因が精神的なストレスという事ならば、漢方でいえばすぐに「心脾両虚証」などが連想されます。
もし彼女が漢方治療を受けておれば、転びやすい等の症状は起こらなかったでしょう。
だいたい消化機能の衰えと不眠を別々に治療するという考え方からしておかしい。
そのような別々の対応の仕方がいつまで続くのか、これでは本質的なところで現代医学には進歩が無い。
やはり東西の両医学が平行して行われるのでなければ真の医学とは云えないと思う。

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