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帯状疱疹後遺痛//益気活血去風止痛湯

これまでに何度もこれについては取り上げてきたが、いまひとつ適当な処方に当たらない。
本病の主因は正気不足(免疫力低下)ではあるが、後遺神経痛においては「余毒未尽、淤阻絡脈」が病機のキーとなっていると考えられる。
だから治療法は、正気を助けるのが主であるけれども、また「余毒を清除し,理気化淤通絡する」ことも忘れてはならない。
劉啓廷教授は益気活血去風止痛湯を考案し、帯状疱疹後遺神経痛を数十例治療し止痛効果を確認した。
益気活血去風止痛湯(黄耆・当帰・白芍10 地竜7 天麻・白附子5 全蝎・甘草3 蜈蚣1条)
【組方依拠】 年老体弱者では血虚肝旺、湿熱毒盛、気血凝滞を先ず考えなければならない。
故に方中の黄耆は正気を扶助し,去邪化淤するには欠かせない;
当帰、白芍は養血活血のため,また黄耆と合されば托毒外出の作用がある;
天麻は潤にして不燥,鎮痛作用が非常に顕著である(三叉神経痛、血管神経性頭痛、脳血管病頭痛、中毒性多発性神経炎などに);
白附子は天麻と合さると,去風解痙,通絡止痛の作用がある;
全蝎、蜈蚣は走竄の性ゆえ,通経達絡して至らざる処なく,息風鎮疼、攻毒散結、通絡止痛の作用がある;
地竜は通絡化痰など,これも淤を去って絡を通す;
【典型病例】
高某,女,53歳,2013年8月15日初診。
主訴:右脇肋部に帯状疱疹を発し三周になる。
これまでは竜胆瀉肝丸や外塗薬等で治療していた。
患者は消痩して,顔白く痛苦の面貌で,焼灼性の刺痛を訴え,焦躁不安,口干口苦,食欲不振,大便干結の様子。
舌質は紅く,苔は白,脈は細で無力。
舌脈および症候から,湿熱余毒未尽,日久化熱生毒,淤阻絡脈と辨証される。
治法は補気養血,解毒清熱,通絡止痛。
益気活血去風止痛湯加減(黄耆・当帰・白芍・板藍根10 地竜7 天麻・白附子・夏枯草5 全蝎・熟大黄・甘草3 蜈蚣1条)
二診(2013年8月26日):3剤を服用后に薬効が現れ,5剤后には痛みは半減し,10剤后には,七八割りが消え,情緒も改善し,食欲が恢復し,顔面が紅潤となり,大便が通暢し,疱疹の大多は消失し,部分的に点状結痂が残留しているだけとなった。
三診(2013年9月6日):疼痛は基本的に消失し,局部に蟻虫が咬むような癢痛感がある。
余毒が除かれたとはいえ,気血はまだ修復しなければならない。
処方:(黄耆・当帰・白芍・制首烏・滑石10 桂枝・枸杞子・山萸肉・陳皮5 半夏・甘草3)
【按】 帯状疱疹は“正虚邪蘊、復感毒邪”という本虚標実と考えられる。
発病の初期は湿熱が要であるが,後期は気滞血淤が主となる。
故に“本虚而標実”に対しては黄耆にて補気と化淤を,且つ虫類薬物の全蝎、蜈蚣を配伍して毒を以って毒を攻め,絡邪を捜剔する。
疱疹の新生に対しては板藍根、夏枯草を配して清熱解毒、消腫散結,疱疹の蔓延を杜絶する。

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