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センブリ(当薬)

ゲンノショウコに続いてまたしても売り上げを下げる記事を書かなければならない。
ドクダミ、ゲンノショウコと並んで有名な三大民間薬の一つ、センブリについてです。
一般には「胃潰瘍、胃痙攣、健胃、食欲不振、消化不良、腹痛」などに使われ、効き目がよく当たるので当薬(とうやく)の名もあります。
苦味健胃薬という日本式の表現があるためでしょうが、こういう表記は漢方的には混乱するものです。
いったい何時の頃から“胃薬”になったのでしょうか?
イー薬草・ドット・コム では次のような引用があります。
センブリは、古くはノミやシラミを殺す殺虫剤として使われていました。江戸時代になり遠藤元理が「本草弁疑(1681)」に始めて「腹痛の和方に合するには、此当薬を用べきなり」と記述されています。
江戸末期の飯沼慾斎の「草木図説(1856)」には、センブリを「・・・邦人採テ腹痛ヲ治シ、又ヨク虫ヲ殺ス・・・」という記述があります。
どこにも「健胃」とはありません。
「腹痛ヲ治シ、又ヨク虫ヲ殺ス」のは、昔の薬局方には十二指腸虫を殺すので“虫下し”に使われたと書かれていました。
また「ノミやシラミを殺す」ゆえ、幼児の肌着をセンブリの煮汁で染めたものだとの記事を大塚敬節先生の書物で読んだ事もあります。
まあ実際にセンブリをお湯に入れて飲んでみて下さい。
なんとも嫌な苦味で、いつまでも口に残り、とても私には飲めません。
食欲不振のひとが飲めばますます食欲が無くなるでしょう。
せいぜいで食べ過ぎた人が腹満感を減らしたくて苦味を求めるのならば少しは良いでしょうが。
私の店へ買いに来られたら必ず「煮詰めないように、ただお湯を差すだけですよ。センブリは一本だけにして二本も入れないように。」と念を押します。
また、センブリによく似たもので、延命草(ひきおこし)というものもあります。
弘法大師が山道で倒れていた一人の行者にヒキオコシのしぼり汁を口にふくませたら倒れていた行者が元気になって起き上ったと言う逸話があり、倒れた人を引き起す力があるので「ヒキオコシ」と言ったり、人の命を助ける作用があるので「延命草」と言ったりします。
太平洋戦争中は医薬品の物資不足が甚だしく、日本全国で医薬品になる薬草調査を始め、香川県の小豆島で昔からヒキオコシの全草を粉末にした物が腹痛や胃痛、胸やけ、食あたりに効果があると言われており、これを基に戦時臨時改訂版日本薬局方に「延命草」の名前で「延命草粉末」が健胃薬として収載されました。
延命草を服用すると苦味健胃薬として胃痛、胸やけ、食欲不振などの胃に見られる諸症状に効果が期待できます。昔は癪(しゃく)の病に効果があると言われました。
薬理作用として、抗菌作用 (グラム陽性菌) . 抗潰瘍作用. 胃内細菌であるピロリ菌の除菌作用.があげられており、抗菌薬であると断っています。
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さて中国ではどのようになっているのか?
ヒキオコシの中国名は冬凌茶といい、咽炎、扁桃体炎、口腔炎、喉炎などの感染症に清热解毒薬として使われています。
センブリについては、性味苦,性寒。帰経 帰肝,胃,大腸経。
功効 清湿熱,健胃。
主治 湿熱黄疸,脅痛,細菌性痢疾腹痛,食欲不振等証。
そして禁忌として、脾胃虚寒者は慎用 とあります。

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