柴胡加竜骨牡蛎湯へのグチ
柴胡加竜骨牡蛎湯の原文、傷寒論[107条]は次の通りです。
「傷寒八九日,下之,胸満煩驚,小便不利,譫語,一身尽重,不可転側者,柴胡加竜骨牡蛎湯主之。」
中国科技術出版社の『傷寒論湯証論治』(2000年)によれば、次のように解説されています。
痔が痛んで、歩けないという男性を往診した。診てみると、脱肛して、内痔核が翻転して、発赤腫脹し、ちょっと指頭を触れても痛む、そこで、麻杏甘石湯を拝復薬として与え、甘草湯の腰湯を命じた。 この際、30g~40gの甘草をガーゼの袋に入れて水煎し、その温湯で腰湯をするのである。腰湯の時間は長いほど良い。患者は苦しいので、2日分の麻杏甘石湯を1日で飲み、腰湯をすると気持がよいので、その日から翌朝にかけ30分あまりも行った。すると、夜明け頃から、うつらうつら眠れる程度に疼痛が軽くなったという。中1日をおいて往診してみるに、腫脹が減退し、指頭でふれてもあまり疼痛を訴えないので、紫雲膏を塗りつけておいて、そっと脱肛をおさめた。5日後、患者は自転車で来院した。痛苦はまったく去った。《大塚敬節》
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