突発性難聴と漢方
突然片耳が聞こえにくくなる突発性難聴は未だに原因は不明とされています。
この度は『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』東洋学術出版社 2009年刊 小金井信宏著 を読んでいてひとつの回答を得ました。
・
肺の蔵象のひとつに「清気を取り入れ、清気を上部へ送る」というのがあります。
耳の聴力はこの清気を得てはじめて機能が発揮されます。
一般に耳といえば「腎の竅」という見方がされやすいところですが、突発性難聴という症状は突発性であるだけに腎とは別の視点から考えなければなりません。
突然この清気が上がってこない事態が起こると聴力に異常が起きます。
何故清気が上がってこないかというと、肺気の流れが止まって「肺気がこもっている」からです。
こもっている肺気を解放させれば清気は上昇して聴力が回復します。
『中医臨床備要』(秦伯未)に紹介されている桂香散※を使うことで肺気の流れを調えることができます。
その『中医臨床備要』には、‥‥‥風聾、猝聾は,外感風邪に由って引起される,調気開鬱することが必須である、と書かれています。
※(桂皮・川弓・当帰・細辛・菖蒲・木香・木通・白疾藜・麻黄・甘草2.5 南星・白止4 紫蘇1)34 葱二茎
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 《臓腑虚実標本用薬式》17(2020.12.15)
- 《臓腑虚実標本用薬式》16(2020.12.14)
- 《臓腑虚実標本用薬式》15(2020.12.13)
- 《臓腑虚実標本用薬式》14(2020.12.12)
- 《臓腑虚実標本用薬式》13(2020.12.11)
Comments