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帰脾湯は深いですねー

帰脾湯の病機を論ずる時に、五行説から見ると「母の病が其子に伝わる」場合と「子の病が又能く母を虚せしめる」場合がある事に気が付く。
心の子は脾、脾の母は心。
過労から「心気虚」になったり、外傷出血などで「心血虚」になると、その影響が(子の)脾に伝われば脾陽が得られず脾は健運することができなくなる。
また憂思傷脾によって(子の)脾が病めば又能く(母の)心をも虚せしめる。(子が母の気を盗む)
いわゆる「心脾両虚」となる。
いずれの場合も脾から治療すれば心脾を共に救うことができる。
いわゆる「壮子益母」ということで、これが帰脾湯の「帰脾」の意味である。
『わかる・使える漢方方剤学 (時方篇)』小金井信宏著 の帰脾湯の解説では、宋代・厳用和《済生方》の帰脾湯はもともと「健忘や動悸」という「心気虚」や「心血虚」の治療を目的としていたとあります。
明代になり辟立斎がこれに当帰・遠志を加えて今日の帰脾湯の構成になり、「心腎交通」の意味を持たせたとのこと。
「心腎交通」といえば、「心腎不交」に対する治療法です。
心腎不交といえば、交泰丸や黄連阿膠湯などが思い浮かびますが、これに脾から治療をする帰脾湯が加わったことが進歩であるということ。
いろいろと帰脾湯は深いですねー。

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