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尿路結石は脾虚が本か、腎陰虚が本か?

『わかる・使える漢方方剤学 (経方篇1)』で著者の小金井信宏氏が披露する知識の広さには驚嘆するばかりです。
それは本の末尾に挙げてある参考文献の多さと質の高さを見ても分かるのだが、まったくビックリ仰天だ。
この度は「尿路結石・石淋」についての解説で「目から鱗」だった。
一般の中医学書では、尿路結石の成因は「腎水虧虚, 膀胱熱結,虚火煉灼,廃渣結聚」となっている。
つまり腎陰虧虚が前提である。
たしかに結石という結果を見れば、湯沸しのヤカンの底に溜まった滓の集積物に似ている。
しかし小金井氏は、結石化するのは「膀胱の気化不利」によって湿熱が生じるからではあるが、基礎に脾虚があり、脾の気化失調があることを指摘している。
脾虚を本とするか、腎陰虚を本とするかによって治療法は大きく分かれる。
たとえば有名な石葦散《証治彙補》は「石葦 冬葵子 瞿麦 滑石 車前子」の構成からなるが、みな膀胱湿熱に対応する。
腎陰虚を考慮すれば、六味地黄丸+石葦散となる。
いっぽう脾虚を本とすれば五苓散が挙げられ、五苓散+海金砂・金銭草・冬葵子などとなる。
(桂枝は肉桂に変え、温陽化気利水の作用とする)
果たしてどちらがより良い効果をもたらすものか追試実験が待たれる。

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