昇降散
「柴葛解肌湯について2」2014.03.08 において、昭和46年に産後の妻を襲ったマラリヤのような劇症の外感について考察しました。
そしてあの時は柴葛解肌湯《傷寒六書》が適方ではなかったか?と書きました。
このたび『中薬の配合』丁光迪編著、小金井信宏訳 を読み進むうちにまた大きなヒントを得ました。
《日華子本草》:補中益気,養五蔵,治労気、産后羸困,耐寒暑,止心驚。逐風湿気、游風、頭風。
『医級』に味麦地黄丸(八仙長寿丸)という処方があります。
六味丸に麦門冬・五味子を加えたものです。
功能は、滋腎養肺。
主治は、肺腎陰虧による潮熱盗汗,咽干,眩暈耳鳴,腰膝酸軟など。
ところが《辨証録》にはこの処方が「腎水が衰え,手足が尽く脹れ,腹も腫れて鼓の如く,面目は赤く且つ浮腫み,皮膚へと水が流れ,小便は閉渋して,気喘のため臥すこと能わざるを治す。」となっています。そして臌脹門には“腎虚によって火動が起こり,肺が虚して皮膚への水流となる。腎水を補えば火は自ら静まり,肺陰を補えば水は自ら通ずる”これより麦門冬が肺という上源を滋せば、下源の腎水が萌えて気化が起こり小水が通る事が分かる。
Recent Comments