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認知症と漢方3

近年わたしの友人に、物忘れがひどいアルツハイマー型のような人が出てきて、他人事ならず身につまされています。
これまでにも幾つか認知症についての記事を書いてきた。
そこで繰り返し取り上げたのは、病位は“脳”かもしれないが関与する臓器は「腎と脾」で、病理は「痰濁と淤血」であるとの主張でした。
脳といえばすぐに腎とのつながりばかりを注目しやすいが、いくら腎虚を補っても認知症を食い止めることは出来ません。
原因といわれているアミロイドβタンパク質などはまさに「痰濁と淤血」の範疇ではないかと思います。
脳を補佐する包囲網全体から考えれば、腎以外に脾にも着目しなければなりません。
もう一度、中医学からのアプローチについてまとめてみます。
明代の李梃は《医学入門》の中で次のように説いています。
脳の生理特点は“清寧を喜び,濁擾を悪む”。
痰は濁邪であり,最も脳を上犯し易く,清竅を阻塞し,心神を蒙蔽し,智能の減退を導致する。
清代の陳士鐸は《辨証録・呆病門》の中で次のように説いています。
“胸中の痰積は心外に定着すると,神明は不清となり呆病と成る。”
また《石室秘録》では
“痰気が最盛なれば,呆気は最深となる”
高齢者は五臓六腑の中でも脾腎の功能の衰退が最も大きい。
腎虚になれば制水が不能となり,脾虚になれば水湿の運化が不能になる。
水湿が内停して,聚って液化すれば痰と成る;
また腎陰が不足して,虚火が内擾し,津液を灼傷すれば,煉液して痰に変わる。
或いは肥甘厚味を過食し,労倦や内傷から,脾陽を損傷すれば,中気は不足となり,運化は失司し,痰濁内停になり,清竅を上擾し,髄海は渾濁し,神機が失用し,痴呆や神志異常の症状が出現する。
中医では“久病には必ず淤血が伴う”という。
王清任は呆病とは“気血が凝滞して脳気と臓腑の気が繋がらなくなった”ためであるとして,《医林改錯》の中でも“凡そ淤血が有れば人をして善忘ならしむ。”といっている。
《傷寒論》には“其れ善忘の人あれば,必ず蓄血が有る。それが久しくなれば必ず淤血となる。”と淤血致病説を主張している。
痰の性は黏滞で,痰濁が日久しくなれば,容易に気血の運行を阻碍し,血行が不暢となれば血淤となり,淤血が阻滞する。
水津の輸布が不利となれば,また聚って痰と成り,痰濁夾淤や痰淤互結の証を形成するのは必然である。
 ※脳の清竅、“脳竅”とは記憶(霊魂)の出入りする見えない孔としての脳を指す。ふつう竅とは孔穴や鍵になる点などの聯通機関、内外相通の孔穴を指す。海馬もそのひとつか?
おすすめの処方は
加味温胆湯(法半夏・枳実・陳皮・竹茹・遠志3 白茯苓・菖蒲・川弓・丹参5)35
痰熱者加黄連2 全瓜呂10
痰湿盛者加白朮・蒼朮・白寇仁3
淤血重者加桃仁・紅花3 水蛭2
兼気虚者加党参或太子参5 黄耆10
兼陽虚者加杜仲5 巴戟天・淫羊霍3

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