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経方雑談 4小柴胡湯

小柴胡湯は和解剤として少陽病の治療に用いられていますが,では一体 少陽病とは何でしょうか?
少陽病の特徴は「纒綿として不愈」であり,この状況は免疫系統の機能失調によるところが大きい。
実際,小柴胡湯治療の疾病はみな免疫失調と関係がある。
たとえば類風湿性関節炎、強直性脊柱炎、系統性紅斑狼瘡、腫瘤、過敏性疾病や病毒感染等々です。
 “胸脇苦満”とは小柴胡湯証のもう一つの表現で、“胸脇”とは小柴胡湯が主治する病位です。
肝、胆、胰腺、肺、胸膜、乳房等の疾病はたいてい胸脇不適を表現します。
ただ胸脇の概念は広く,甲状腺、胸鎖乳突肌、耳介側頭部等の頭頚部の両側,少腹部、脚の付け根等もみな広義の胸脇で,我々は“柴胡帯”と称しています。
 “心煩喜嘔,黙黙不欲飲食”とは疾病が胃腸に及び,“煩”、“喜”、“黙黙”という言葉は感情の色彩を帯びており,患者の主観や情緒を反映している。
これについては百合病との鑑別をしなければならない。
 小柴胡湯には治療上の合理的な配伍構造があります。
方中の柴胡・甘草は寒熱往来と胸脇苦満を主治し,黄岑は心煩を主治し,半夏・生姜は喜嘔を主治し,人参、甘草、大棗は黙黙不欲飲食を主治します。
其の中でも柴胡と甘草は本方の核心成分であることが,方后の加減の条文から分かります。
黄岑は去ることが出来,半夏は去ることが出来,人参、大棗、生姜は去ることが出来るが,柴胡と甘草だけは去ることが出来ない。
 上述の“寒熱往来”、 “胸脇苦満”、 “心煩喜嘔”と“黙黙不欲飲食”は小柴胡湯の四大主証であり,我々は“小柴胡綜合象”と呼んでいます。
これは中国古代の先賢が発見した症候群で,外部的素因とともに内的体質の特異性をも示しているので我々は“柴胡体質”と称しています。
其の特徴とは:体型が中等か偏痩,面色が微暗黄か青黄色か青白色で,光沢が乏しい。
肌肉は比較的堅緊,舌質は淡胖ではなく,舌苔は正常か偏干。
また小さくて細い眼をしている事が多い(柴胡眼)。
小柴胡湯使用の着眼点が“証”でもなく,“病”でもないのを見れば;“病”と“人”を結ぶ特定体質の“人”であることが面白い。
かつて流行した“SARS”も,いわば免疫系統の侵犯であり,胸脇苦満的な表現は似ているので,必然的に本方を基礎とした加減方が考えられる。
たとえば《蘇沈良方》の記載がある:“元祐二年(1087),流行病で老いも若きも皆咳をしたのに,本方(即小柴胡湯)去人参、大棗、生姜,加五味、干姜各半両,これを服して皆愈えた”。
病毒性肝炎に対しても,小柴胡湯は天然のインターフェロンであり,猪苓茯苓を加えれば中薬的な“B型肝炎ワクチン”である;胃癌、淋巴瘤等の腫瘤に対しても,小柴胡湯は中薬的な胸腺ホルモンのチモシンやがんを攻撃するインターロイキン-2である。

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