赤芍・白芍の区別
ウチダの『和漢薬No.764』に収載された「生薬の品質評価」に関する富山大学和漢医薬学総合研究所の報告を読み、赤芍・白芍についての理解が少し深まりました。
従来から両者の違いは「外皮の有無」「栽培・野生の別」「根の色・花の色の違い」など諸説がありました。
しかしどれも確定的なものではありませんでした。
今回の報告ではかなり信頼できる区別がなされています。
市場に流通する芍薬(Paeonia 属)には (1) 四川省以外の中国および日本の白芍 P.lactiflora と (2) 四川省産の赤芍 P.veitchii があり、主成分はどちらも Paeoniflorin でも、(1) は 2%、(2) は 6~7% と含量が異なるのが決定的な相違である事が分かった。
今後は成分定量によって赤白の区別をつけるのが科学的といえる。
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そこで「富山県ブランド芍薬」栽培の目的のために、入手した76品種の園芸用シャクヤクを分析したところ、30品種が(1) で 46品種が(2) と分かれた。
この成分量の差を目印にすれば園芸用シャクヤクからでも赤芍・白芍の区別栽培が可能である。
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