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止嗽散(《医学心悟》)

[組成] 荊芥・桔梗・紫菀・百部・白前10 陳皮・甘草6
[用法] 水煎服。
[主治] 風邪犯肺,肺失宣降,咳嗽,咯痰不爽,或いは微に有悪寒発熱,苔薄白,脈浮緩。
[証析] 此れは外感風寒,表証が已に去ること十の八九,ただ残る咳嗽の常用方。
肺の合は皮毛で表を主る。
風寒束表,未だ能く治療の及ばざる時,或いは治療を経ると雖も 未だ法を得ず,内伝して肺に入り,肺気鬱して不宣,肺津凝して不布,気鬱津凝,咳嗽遂に生ず。
此即ち《素問・玉機真臓論》が所説する:"今 風寒が人に客すると,人の毫毛を筆直せしめ(鳥肌たてる),皮膚は閉じて熱となり,病は肺に入舎する,名づけて曰く肺痺と,咳を発して上気する"という機序である。
其の病理衍変は:風寒客表(病因)→内伝于肺,宣降異常(病位)→気鬱津凝(病性)→咳嗽。
[病機] 外感風寒,肺失宣降。
[治法] 止咳化痰,疏表宣肺法。
[方義] 此の種は余邪が未だ尽きず肺失宣降の証なり,之を治す法は,当に宣肺止咳を重点として,機能を調理し,微に疏散の品を加え,祛邪して外に出す。
方中の桔梗、白前は宣肺祛痰,紫菀、百部は温潤止咳,陳皮、甘草は利気調中, 六薬全ては肺胃機能の調理に当ててある。
復た荊芥を用いては疏散風邪,祛邪外出,宣発肺気し,其の閉鬱を開く, 合さりて成方となり,宣肺止咳,疏風散邪の効果を収める。
此の方は僅かに荊芥一味を用いて解表しており,一見取るに足りないように見えるが,其の実は全ては此の薬の宣発表衛,啓門逐寇(門を開いて賊を追い出す)を頼りとして,始めて諸薬は奏効できる。
如し此の理に不明で,ただ止咳にのみ務めたら,いくら力を大にしても効を収めることは少ないだろう。
故に荊芥は本方の画竜点睛の薬である。
此の方の構造の弱点は,一に解表力量の薄弱さである,如し表証がなお在れば,力不足を免れない;二に祛痰滲湿の品が缺乏していることで,如し痰が多いと,此の失策は大きい。
情況によって加入すれば,能く較好の効果を得るだろう。
[応用] 本方は余邪未尽の外感咳嗽を治して,較好な療効がある。
偏寒者には,防風、蘇葉、生姜、麻黄、杏仁を加えて散寒止咳する; 偏熱者には,桑葉、菊花、薄荷、連翹、黄芩、青黛を加えて清熱止咳する; 痰湿中阻の咳嗽痰多者には,半夏、茯苓、紫蘇子、白芥子を加えて祛痰止咳する。
   『中医治法與方剤』(陳潮祖)より
※取り残した咳嗽はなかなか治り難くいつまでも続く時、これを一掃するのが止嗽散です。解表成分は荊芥一味でも、これが無くては画竜点睛を欠くことになる妙方です。

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