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柴桂五苓湯(自制方)

[組成]柴胡25 黄芩・半夏・甘草・大棗10 生姜・人参・茯苓・桂枝・白芍・白朮・牡丹皮15 沢瀉・牡蛎20
[用法]水煎服。1日1剤,連服数剤。
[主治]婦女更年期綜合征:婦女の停経前后に,時に発熱汗出を呈し,胸部や頭頚に汗多く,熱気上衝を自覚する,甚しければ面紅潮熱し,或いは心煩易怒を兼ね,痞悶不舒,舌体は微胖,舌尖は微紅,脈象は正常か,或いは微弦、微数。
[証析]《素問,上古天真論》云く:"女子は七歳にして,腎気盛んに,歯が更り発し長ず;二七にして天癸至り,任脈が通り,太衝脈が盛んとなり,月事が時に下る,故に子あり;三七は,腎気が平均する,故に真牙が生じて長さを極む;四七は,筋骨堅まり,髪の長さが極まり, 身体は盛壮となる;五七は,陽明の脈が衰え,面始めて焦げ,髪始めて堕ちる;六七は,三陽の脈が上に衰え,面は皆焦げる,髪始めて白し;七七は,任脈が虚し,太衝脈も衰少し,天癸が竭き,地道が不通となる(月経絶止),故に形壊れて無子となる。"
上述は女子の生長発育,盛衰過程を言う。
壮盛の年には,太衝脈が盛んに,任脈も已に通じ,天癸は已に至りて,月経は一月に一行あり,時に応じて疏泄する,女卵は胞宮任脈が主る卵巣に貯えられる,男精は丹田に貯えられ,両性が交合し,陽施し陰受ければ,即ち能く懐孕する。
七七の年には,任脈は巳に虚し, 衝脈の血少く,天癸は已に竭き,地道は通らず,故に形壊れて無子なり。
経血の一月一行は,肝経の応時疏泄に頼る。
肝経の機能は主に気血津精の疏泄と,肝主筋膜で,五臓の経絡はみな筋膜構成と関係がある。
人と天地は相参じ,日月は相応ずる,女経の一月一行は,月環が大地一周行するのに相応ずる,月経の名は,此れに由来する。
如し已に年が四十を越えれば,衝任は漸衰し,精血は漸少し,営衛は失衡し,気血津液の升降出入は異常となり,升が降より多くなる,津血は気に随って上衝し,顔面は潮紅する!
此の証は停経以后によくあり,甚しくは還暦年に至ってもある。
細かく其の理を究めれば,仍お気血津液の疏泄失常に因り,降少なく升多きが然らしむるなり。
其の基本病理は:晩年→精血日に損じ→営弱く衛強し→肝気の升降異常→津血の升は降より多し→此の証を成す。
[病機]精血漸衰,営衛不和,升降失常。
[治法]調和営衛,和解少陽法。
[方義]精血漸く衰え,衛強営弱となれば,脈外の衛気と脈内の営血の上升太過となり,身半以上に汗が出て、顔面は潮紅する,治には陰陽を調え,升降を和すのが宜しい。
此の方は小柴胡湯、桂枝湯、五苓散の三方加減より成る。
方に用いる桂枝、生姜、柴胡は陽気を宣発して表より出し,衛を強すぎないようにする;芍薬、甘草、大棗は益陰和裏して,営を弱すぎないようにし,営衛和諧とする。
重用する柴胡は少陽三焦の衛気を升発する,発が升より多いと,上升太過の虞れを無くする;黄芩は気熱を清し,生姜、半夏は津気を降す,その意は中焦の斡旋に在り,津気上升を制する;人参、甘草、大棗は益気実衛する,その旨は固護陰津に在り,外泄させず,営衛を和諧し,三焦の升降を和ならしむ。
然し上半身に汗が出て、面紅と津血の上升太過となるのは、営陰外泄と関係がある,単に営衛、三焦を調えるだけで,若し水津を引導して下行させなければ,上身の汗出は消除が難しい。
桂枝と白朮、茯苓、沢瀉を同用するのは,化気行水の功能で,水津を下行させて帰腎させ,上升して外泄するのを減少させる為である;さらに牡丹皮の凉血調営,牡蛎の潜陽固渋を配して,気血の上衝,陰津の外泄を制する,諸薬を同用すれば,営衛は調和し,少陽は和解し,肝の疏泄は正常となる。
或いは問う:此の方の選薬配方の,主旨は肝の疏泄調理に在るのでは?
五臓の経絡は肝系の筋膜構成によるが, 其の実は肝系の筋膜は心包の延伸より来ており,心包の神筋こそが経脈の弛張運動の号令を発する中枢なのです。
《黄帝内経》によれば心の神筋が肝系に帰属して,はじめて肝主疏泄と謂えるのです。
古人は嘗つて汗は心液と云い,其の出入は肺肝が関与する,営分の開合は,肝の所司であり,衛分の開合は,肺が所主だからである。
いま腎系の陰精が虧ければ,陰不済陽,肝陽偏亢,血随気逆上衝して顔面潮紅を呈し,津が気に随って浮き出表すれば外泄出汗を呈する,唯だ清営凉血して其の衝逆を制し,其の営衛を固めて,外泄させないのが宜しい,是れでようやく両全の策となる。
牡丹皮は清熱凉血に長じ,桂枝は降逆平衝に長じ,牡蛎は鎮肝寧神,固護営陰に長ずる,人参は益気実衛に長じ,其の営陰が熱蒸を受けないようにすれば,営血は気に随って升らず,表の衛気は固まり,熱気の上衝や,上身からの汗出が収まる。
或いは謂う:桂枝の性温は,助熱の恐れがあるのでは?
本品の配入は,実は已むを得ないのです。
此の証には衝気上逆、営衛有熱、津随気逆の三種の機理が并存し,泄衛和営、平其衝逆、化気行水には唯だ桂枝のみが該当するのです。
此のために牡丹皮を相配し,其の温性を去らせても泄衛、平衝、行水の功が仍お存するのです;況んや黄芩の清気分熱を配するのも,実は之を制するためなのです。
[応用]近年 本方を常用して此の証を治療して,療効の卓著がある。
湿が重くなければ,丹梔逍遥散加牡蛎で潜陽してもよい; 舌質が紅ければ,生地の凉血滋陰,冬桑葉の止汗を再加する。
   『中医治法與方剤』(陳潮祖)より

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