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小続命湯は外風に使う

かつて「続命湯」の記事で「脳梗塞などの半身不随や言語障害において、脳内の血流障害がどうして麻黄という発表剤で治せるのだろうか?」と疑問を持っていた事を述べました。
そして『中薬の配合』(丁光迪/小金井信宏)の解説にある“鬱極”(中風の混迷期)という状態からの開放を汗法でやったのではないかと思ったのでした。
しかし内心ではやはり一抹の疑問を抱えたままで完全には納得していませんでした。
この度は『中医治法與方剤』(陳潮祖)の小続命湯の項を読んでみて改めて一つの結論に達しました。
[主治]は「風邪中経,経脈拘急,半身不遂,口眼㖞斜,語言蹇渋。」となっており、風邪中経とは風が腠理に中(あた)り,営衛の運行障碍を引き起したものです。
これは其の人の衛陽不足・腠理空疏であったため風の侵入を許したのです。
風には内外の別があり、これは外風に中(あた)ったもので「真中風」といいます。
一方、内風とは「肝風内動」のようなもので「類中風」といい、これが脳血管障害によるものです。
ですから小続命湯が担当するのは「真中風」であり、脳血管障害(類中風)ではありません。
此の方は「開泄腠理、散寒除湿、調営通滞」の作用があるために風寒湿の三気が合さった“痺”にも有効なわけです。
寒風の吹きすさぶ山中を長く歩いていて、次第に顔や手足が冷たくなり麻痺してきたり、口も強張って喋り難くなった事はありませんか?
こういうのが真中風で「風邪中経」という状況だと思うのです。
それで「若し肝風内動などの脳出血に使うと“薪を抱いて火を救う”の誤りを犯すことになると注意しています。
「脳血栓による半身不遂には療効なし」とも明言しています。

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