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双極性障害(躁鬱症)2

双極性障害(躁鬱病)については以前にまとめた事がある。
中医学では「躁狂抑鬱症」「双極性情感疾患」ともいい、また単に「抑鬱症」とも云う。
湖北省襄陽市中医医院主任医師 胡思栄 は抑鬱症について次のように考えている。
 抑鬱症の発病は患者の長期にわたる情志不遂から導びかれた「肝気鬱滞,心血暗耗,灼耗水飲,凝煉化生頑痰」による。
それは同時に「気血運行受阻」となり,さらに進めば「血行痺阻,暗生瘀血」,或いは「痰蒙心竅,瘀阻心絡」となり,最後には「擾動心神」となる。
人体の心・脳は相通じており,頑痰が心血に随って上行し,心脳が相い通ずる路に凝滞すると,やがてその竅絡は瘀塞され,脳絡は受損し,心脳不通となり,神明が皆乱れる。
中医学ではどのようにして抑鬱症を治療しているか?
病の初起は,情志所傷,肝気鬱結で,多くは実証である(から実証のうちに治療出来ればよい)。
抑鬱不暢,精神 不振,胸悶脅痛,善太息 ( 即常嘆気 ) ,不思飲食の症見があれば、疏肝理気解鬱を主として治療する。
病情が遷延して日久ともなれば,気から血へと及び,化火傷陰して,病いは脾腎に及び,多くは虚証となる。
治療には養心安神、補益心脾、滋補肝腎 等の法則を採用する。
著名な中薬方剤は:柴胡疏肝散、丹梔逍遥散、甘麦大棗湯 等である。
清晨(夜明け)とは人体の陽気が内斂潜閉から転じて外発隆盛となる時候であり,各器官の功能が活躍を開始すると,陽気の需要と消費がもっとも多くなる時候でもある。
それが得られなかった心・肝胆の陽衰気弱者に、痰濁蒙蔽、精神抑鬱、思維遅鈍、疲倦無力の諸症が現れるのは清晨~午前がもっとも著しい。
従って精神抑鬱症の病機は心胆陽虚,脳神失養,肝虚気鬱,神竅痰蒙であり、治本法は温補心胆陽気・益肝兼助疏泄・養脳滌痰醒神である。
採用される中薬用は、
柴桂温胆定志湯(柴胡・黄岑・桂枝・赤芍・白芍・半夏・陳皮・枳殻・竹茹・遠志3 茯苓・大棗7 人参・菖蒲・炙甘草2 生姜1)51
温補心陽、振奮肝胆、疏達鬱結、滌痰導濁の力が不足なら、柴胡舒肝丸を配合して疏達鬱結,振奮肝胆脾胃を図る。
柴胡舒肝丸(茯苓100 炒枳殻・酒炒白芍・甘草・陳皮・桔梗・姜制厚朴・炒山楂・防風・炒六神曲・黄芩・薄荷・醋制三稜・酒炒大黄・炒青皮・当帰・烏薬・制莪朮50 醋制香附・柴胡・紫蘇梗・炒檳榔・姜半夏75 白豆蔻40 木香25)
※「臓躁と あくび」の記事の婦人は、朝起きになんだか頭が痛いとその日は不調になるというが、抑鬱症(双極 II 型障害)のような気がしてならない。

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