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小柴胡湯去黄芩加芍薬

『傷寒論』の小柴胡湯の方後に次のような加減方と注釈文が書かれています。
若胸中煩而不嘔者.去半夏人參.加栝樓實一枚.
若渇.去半夏.加人參.合前成四兩半.栝樓根四兩.
若腹中痛者.去黄芩.加芍藥三兩.
若脇下痞鞕.去大棗.加牡蠣四兩.
若心下悸.小便不利者.去黄芩.加茯苓四兩.
若不渇.外有微熱者.去人參.加桂枝三兩.温覆微汗愈.
若欬者.去人參大棗生薑.加五味子半升.乾薑二兩.
傷寒.陽脉濇.陰脉弦.法當腹中急痛.先與小建中湯.不瘥者.小柴胡湯主之.
最後の注釈文「先ず小建中湯を與え.瘥(い)えざれば.小柴胡湯が主る」についてはこれまでにも何度か取り上げましたが、この度やっと真の意味が分かったのでもう一度やってみます。
李翰卿語録220則」辨証心法の42.には次のような解説があります。
傷寒論小建中湯小柴胡湯条,陽脈渋,陰脈弦,法当腹中急痛者,先與小建中湯不瘥者,小柴胡湯主之。
這両種証候常易混淆,示人以腹痛脹之証候,須先分清這両个方面,前者属于虚寒,后者属于肝気不舒,即小柴胡湯去黄芩加芍薬之意,非叫人先用小建中試之,而后再用小柴胡也。
これを意訳するのに随分時間がかかりましたが、結局次のようにしました。
傷寒論の小建中湯 小柴胡湯の条は次の如し,陽脈が渋で,陰脈が弦なら,必ず腹中急痛するはずだ,先ず小建中湯を與え 瘥(い)えざれば,次に小柴胡湯が之を主ることになる。
この2種の証候は常に混淆され易いが,腹痛脹には,2つの証候が合わさっている,ひとつは虚寒で,もうひとつは肝気不舒である,(この二つの証候を解消するには)先ず小建中を試し(虚寒を去り)それで癒えなければ,その后で小柴胡を再用(肝気不舒を去る)しなければならない。(この小柴胡湯とは註文の加減方に出てくる小柴胡湯去黄芩加芍薬のことで、小柴胡湯そのものではない。)
ここまで読み取ることが出来たのは次の記事のおかげです。
小建中湯(《傷寒論》)の
本方と小柴胡湯が同じ一条に出てくる,その意は腹痛が肝脾不和に因るからある。
故に先ず本方を以って肝脾を調理して,寒より治してみる。若し効かなければ,再び小柴胡湯を用いて胆胃を調和し,熱より治す。(此の条は肝脾不和を指す)
と、小柴胡湯2 の
初起には寒熱が分け難いので,先ず温中補虚・柔肝緩急の小建中湯を用いてみる,中焦虚寒からやってみて,肝木克土へと論治を移すのである。
※youjyodo註(これは先に小建中湯を飲み、次に小柴胡湯を飲む二段構えでかからなければ治らない場合があるという意味に取れる。)と以前に書いたことが正しかったと云うことか。

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