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桂枝湯は健胃強壮剤

 桂枝湯は群方の冠,名医家はみな“滋陰和陽、解肌発汗、調和営衛”と其の功用を論述している。
桂枝湯は実に健脾胃、和営衛の強壮剤である。
営衛を調和する根源は健脾和胃にある,脾胃は后天の本で,気血生化の源なるゆえに,営衛の気は中焦の脾胃から滋生する,故に脾は営を主り,胃は衛を主ると曰う。
《傷寒論》にある桂枝湯証の諸条文の殆どは脾胃症状に関している。
外邪が人体に侵襲して病を受ける,その要となるのは内因である。
経に云く:“正気が内に存せば,邪は干すべからず”,“邪の湊る所は,其の気必ず虚す。”
これらはみな正気の不足で外邪に抵抗できないと病を受けると説明している。
正気とは即ち脾胃の気を指す,人体は先天腎気の資生に頼ると雖も,后天脾胃の気が不断に補充される必要がある。
薬物功能から看ると,桂枝には解肌温通経脈の作用がある,桂枝に含まれる桂皮油の薬理研究では,能く唾液と胃液の分泌を促進し,消化を幇助する。
《本草綱目》には白芍に“脾肺を安んじ,胃気を収め,中気を理し,脾虚中満を治す”作用があると載っている。
薬理研究では白芍は能く胃液分泌を抑制する。
桂枝に白芍を配すると能く胃液分泌を調節する(前者は促進し,后者は抑制する)。
《本草綱目》には甘草は“温中下気、煩満短気……緩正気,養陰血,補脾胃。”に用いられると載っている。
薬理研究では甘草には解痙と胃酸分泌抑制の作用がある。
生姜は温中散寒,健胃止嘔し,桂枝を助けて衛気を行らす;大棗は脾胃を調補,益気生津し,白芍を助けて営陰を和す。
方中の五味の薬物は,どれひとつとして脾胃を治療しないものはない。
況んや原方の后注に云う:“服し已って,更に稀粥一盞を啜り,以って薬力を助けよ。”
此れは穀気の内充を藉りて健胃となれば邪は復た入らずという事である。
また桂枝湯の派生方を分析すれば,小建中湯、黄芪建中湯等もみな温陽健胃の名方ばかりである。
 此れより我々は桂枝湯の和営衛は健脾を源とする,扶正強壮剤であると考える。
だから脾胃不足から引き起される諸多の病証及び虚人の感冒の治療に常用すれば,理想的な効を取る事ができる。
※酸辣湯に喩えられたりする桂枝湯、これが解れば漢方の半分は出来ている。

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