春秋定例の感冒
孫××,女,40歳。
七、八年来,毎年春秋の二シーズンに決まって感冒にかかり,軽ければ五六日のを一回,重ければ二三日のを一回,毎回感冒の后で慌てて服薬して七八日かかって漸く緩解する。
最近二年余りは病情が次第に重くなり,中薬を用いて疏風解表、補気固表すること数百剤,西薬の胎盤グロブリンを五本,それでもはっきりとした改善は無い。
症状は頭暈乏力,時時噴嚏,口苦口干,食欲不振,心煩,口苦,舌苔薄白,脈弦緩である。
脈証を綜合し,諸医が与えた薬効と結びつけて,反復思考するに,少陽は胆に属し,胆は諸臓の主である,肝胆は互いに表裏を為す,肝胆の気が鬱結すれば,少陽春升の気は不安となり肺金に反克する,故に春秋二季に衛気不固となり外邪に感じ易くなる。
治には和解少陽,プラス調営衛が宜しい,柴胡桂枝湯加減を処方した。
処方:柴胡・半夏・黄芩・党参・灸甘草・桂枝・白芍10 生姜3片 大棗7个
服薬三剤にして,諸証は消失した,其の后また毎年の春,秋二季には各々三剤を服薬することにし,三年もすると,中薬数剤で治るようになった。
难病奇治 より
※柴胡桂枝湯は数日間飲めば良いのであり、安易に体質改善の目的で長く飲むものではない。
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