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痒風(アトピー)

 駱××,女,10歳。1歳の頃からいつも皮膚に瘙痒があり,昼は軽く夜に劇しい,父母に掻抓してもらってやっと入睡できる。
多くの医院の皮科では皮膚瘙痒病(アトピー)と診断された。
前後して5年間の西薬治療と,3年間の中薬治療を受けて無効だった。
用いた薬物は西薬の外に,中薬だけでも800余剤に達する,然し毎回無効であるばかりか,却って瘙痒は倍加した。
皮膚には沢山の掻破した爪痕があり,皮膚は粗糙で,少し許り脱屑がある,元気が佳くない,舌苔薄白,脈沈細。
其の証を細思していた時、丁度居合わせた学生が問を発した:“なぜ夜間ばかりに奇痒があるのか? なぜ皮膚を掻破すると好転するのか?”
私はふと思い出して云った:“天人相応だよ。《素問·生気通天論》に云く:”陽気は,一日中 外を主る,明け方には人の気が生れ,日中には陽気が隆んになり,夕方には陽気は虚し,気門が閉じる。故に暮れれば収拒……。”《素問·金匱真言論》に云わく:”夜明けから日中は,天の陽,陽中の陽也。日中から黄昏までが,天の陽,陽中の陰也。合夜から鶏鳴までが,天の陰,陰中の陰也。鶏鳴から平旦までが,天の陰,陰中の陽也。故に人も亦之に応ずる。人の陰陽で言えば,外は陽,内は陰。陰血不足すれば,血燥生風となる痒とは泄風なり,掻抓すれば減ずる。”
治は養血活血,凉血散風に宜し。
 丹参銀翹飲加減(丹参15 銀花・連翹・当帰・白芍10 川芎6 薄荷3)
服薬6剤にして,其の痒は大いに減じた。
学生は又問うた:“医書に云わく:風は痒なりと,この方には僅かに薄荷一味しかないが,それで祛風しているのですか?”
答えて曰わく:“前用の諸方が無効だったのはそれです。風病には風薬で散風すべきだが,風薬は散風すると同時に,また傷血もする。本病は陰虚血燥であり,陰虚血燥の風は,養血潤燥して祛風すべきである,即ち血より透気して解するのです,若し気分の風薬を過用すれば,必ずや血中の燥熱は更に風を生じます,だから治風先治血を宗とし,血が行れば風は自ずから滅するのです。”
その后に継服24剤にして愈えた。
   中医临证经验与方法 より
※アトピーには治血を優先させなければならない!

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